スマートマネーコンセプト/Smart Money Concept(SMC)とは

- ICT SMC -
2025.06.07
smart money concept/スマートマネーコンセプトとは

スマートマネーコンセプト・Smart Money Concept(SMC)とは

  • Inner Circle Trader(ICT)が考案したチャート分析における概念で、
  • 全ての値動きは、大口投資機関の「売買ソフトウェア(AI)」によって100%操作されているという事実を逆手に取る手法
  • 使うのはフィボナッチ・リトレースメントのみ、インジケーター等は信用しない
  • メリット:「価格がなぜそう動くのか」が分かる
  • 暗号資産を除いた全ての市場で適用できる
    → ICTは暗号資産トレードをしないので、自己責任で
  • ICTを一次情報源としない"偽"SMCが蔓延している
    → 日本語情報の少なさを利用した悪質な商材に注意

スマートマネーコンセプト/Smart Money Conceptとは

  • Inner Circle Trader(ICT)が考案者
  • 大口投資機関の売買プログラムによる価格操作を個人トレードに応用
  • フィボナッチ・リトレースメント以外、何も使わない
  • メリット:価格がなぜそう動くのか、分かる

Inner Circle Trader(ICT)が考案者

SMCの元祖は「ICT」です。

ICTは、1992年から30年以上もトレードを生業としているイギリスのデイトレーダー(現在はアメリカ在住のもよう)。

「ICT」はもちろんニックネームで、中の人の名前は

Michael・J・Huddleston / マイケル・J・ハドルストン

といいます。

Xのフォロワーは60万人超え、YouTubeチャンネル登録者数は167万人超えのトレード界における世界的スーパーインフルエンサー

Xアカウント:@I_Am_The_ICT

YouTubeチャンネル:The Inner Circle Trader

とくにYouTubeでの発信コンテンツが充実していて、ぼくは最初にICTの動画を見た時、

こんな具体的な手法を無料で教えてくれちゃっていいわけ...?

と思ったものです。

ICT本人も「俺のSMCをパクってる他のYouTuberのサロンに金を払う必要なんてない、全部無料で公開してる俺のYouTube動画を見ろ」と言っているほど。

ICT YouTubeおすすめ動画

smart money concept/スマートマネーコンセプトとは

2022 ICT MentorshipはEpisode 42までありますが、EP2を見るだけでSMCの考え方が簡潔に分かります。

また、ICTは全てのコンテンツを無料で公開しており「この先が知りたければ有料」といった高額な情報商材を売りつける、ということもないので安心。

SMCについて日本語で調べていくと、「SMCの元祖はワイコフ/ワイコフ理論です」と説明する人・記事・動画に出会うはずです。

これは明らかな間違い・ウソなので気をつけてください。

SMCとワイコフ理論には何の関係もなく、ICTはワイコフ理論を否定しています。

大口投資機関の売買プログラムによる価格操作を個人トレードに応用

まず、SMCは「全ての値動きはAIアルゴリズムによって完全に操作されている」という前提でチャートを見ます。

※ Smart Money/スマートマネー = AI

AIとは人間の手でプログラムされたコードであり、つまりロジックがかならず存在する。

そのロジックは、どこで買い、どこで売るように作られているのか。

それをチャートから読み取って個人トレードに活かすのがSmart Money Concept。

ちなみに、ICTはその売買プログラムの開発者でもあるようです(真偽は不明ですが...)。

YouTubeでも「私はコンピューターサイエンス出身のデベロッパー(プログラマー)」と言っていて、またICTのLinkedInのプロフィール ≫を見ると、

I am the Engineer of IPDA
(私はIPDAのエンジニアです)

という自己紹介があります。

IPDAとは、Interbank Price Delivery Algorithm=金融機関が使う自動売買プログラム」のこと。

金融の世界は常に進化し、変化しているが、近年最も重要な発展のひとつは、IPDA(インターバンク価格デリバリーアルゴリズム)の出現である。この革新的なコンピューター・プログラムは、銀行などの金融機関が外国為替市場のような市場で取引を執行する方法に革命をもたらしている。(省略)
この高度なアルゴリズムは、コンピュータ・プログラムとソフトウェアを使用して実行されるため、取引を高い精度で自動的に実行することができる。これにより、人間の介在が不要となり、エラーのリスクを大幅に軽減し、取引執行のスピードを向上させることができる。

引用元(medium.com)記事より一部引用し翻訳

なので、ICTからすると、

  • 全ての値動きは、この売買プログラムによって操作されている(プログラムが決めた方向に価格を上昇/下落させることができる)
  • そして、このプログラムには値動きの特徴がある(というのを作った本人だから知っている)
  • それをチャート上に現れる値動きのしかたから読み取り個人トレーダーが乗っかるだけ

...ということのようです。

フィボナッチ・リトレースメント以外、何も使わない

SMCは、

  • チャート上に引くツールはフィボナッチ・リトレースメントのみ
  • トレンドライン・チャネル等のツールは「一切」使わない
  • 移動平均線・MACD・ストキャスティクス等インジケーターは「一切」表示しない

というのが大きな特徴です。

これらツール・インジケーターは無数の「バカなトレーダー達」が使っているものだからです。

  • スマートマネー:smart=賢い=AI
  • ダムマネー:dumb=バカ(稼げない)=個人トレーダー

という対比された呼称があります。(ぼくが"バカ"と呼んでいるわけではありません)

インジケーターの選定や設定不要、見るのはチャートにプリントされたローソク足だけ

あなたをカモにするためだけに考えられた「カンタンに稼げる最強インジケーター」を購入する必要はもうありません。

▼ICTの動画から引用

2022 ICT Mentorship Episode 16

価格を上下させたり、ある特定のポイントへ到達させ反転させるモノは何なのか。

それは全てアルゴリズムによるものだ。

ハーモニックパターンは値動きに全くの無関係だ。

Supply Demand Zoneも無関係だ。

エリオット波動も無関係。

ワイコフ理論も無関係。

ギャン理論も無関係。

こういったものは全て、市場価格の動きに何の関係もない。

ーーー以下原文ーーー

What makes them(=markets) go up and down, where they turn, why they go where they go, why are they arriving when they arriving at that price point.

It's all algorithmic.

It has absolutely nothing to do with anything harmonic.

Nothing supply demand zone,

Nothing to do with Elliot Wave.

Nothing to do with Wyckoff

Nothing to do with Gan.

None of that stuff has anything to do with it.

メリット:価格がなぜそう動くのか、分かる

ある程度ICTのSMCを理解すると、

ん?なんでここで反転してるんだ?

ということはほぼありません。

プリントされたローソク足にはかならず「スマートマネーの痕跡」が残るからです。

ICTいわく、

SMCの考え方を1度知ると、2度と知る以前と同じようにチャートを見ることができなくなる

とのこと。

これは、まさにその通り。SMCを知らずにトレードを頑張っていた過去の自分に教えてあげたい。

SMCはどの市場分析で有効か:暗号資産以外の全ての市場

  • FX・株式(インデックス)・コモディティ等全てのチャートに応用可能
  • ただし、ビットコイン等の暗号資産市場のみSMCが機能するかは保証はしない

というのがICTの主張です。

ICTは暗号資産トレードを一切行っていないため「僕(ICT)の弟子達はSMCが暗号資産市場で機能するとは聞いているが、僕は効果を一切保証しない」と言っているので注意。

ICTのYouTubeメインコンテンツであるICT Mentorship 2022 >>では、ほとんどの動画で米国株インデックス(S&P500、NASDAQ等)のチャートを例に使って解説していますが、そのチャートから学べることは全てFXなど別の市場のチャートに適用できます(とICTが明言しており、実際にICT自身がFXトレードをしている)。

SMCを学習する上での注意:それ、SMCじゃないかも

Smart Money Concept(SMC)は、ICTただ一人が開発した分析手法なので、

この↓2つ"だけ"が信頼性のあるSMC情報源です。

  1. ICTのYouTubeチャンネル >>で発信されている内容
  2. ICTのYouTubeを情報源に学習した人が、ICT SMCについて発信している内容

ということは、「信頼性の低いSMC情報源」も存在するということ。

以下ポストしているとおり、

ICTの教えと無関係の「間違いパクリSMC動画・記事」であふれている

それら間違いパクリSMC動画・記事をもとに学習した人がSMC間違い動画・記事を作ってしまう

...というループのせいで、誤ったSMC情報であふれている

↑この事実がある点にはよく注意してください。

なぜ誤った情報であふれているかは以下ポストを参照。


英語日本語関係なく、検索して見つかるSMC情報の大多数は「ICT以外のパクリYouTuber発信の間違った動画」か、「その間違った動画をもとにさらに複製された間違った動画」です。

厄介なのは、何が間違いかはICTのYouTubeでSMCを学習した人にしか分からない

ということ。

たとえ教えられたものが完全に間違っていたとしても、何も知らない人は受け入れるしかなく、

「これ、SMCじゃなくね?ICTはそんなこと言ってなくね?」と疑うキッカケすら生まれないからです。

逆に言えば、ICTの動画でSMCを学習した者なら、その人がICTを情報源に学習した人か、ICT以外の間違いYouTuberから学習した人か、すぐに分かります。

ちなみに

SMC理論で有名な「オーダーブロック/Order Block/OB」を学習したことがあるかたへ向けて、もう少し具体的に書いてみます。

OBって結局どのローソク足なの?

定義が人によって違ってる気がして、よく分からないな...

...と感じたことはないでしょうか?

分かりにくいと感じる理由は、

ICT以外のパクリYouTuber発信者がOBを間違って解説

それを元に学習した人が、YouTube/Twitter(X)で教える(当然間違っている)

それを元に学習した人が...以下ループ

※ ループが進むごとに人によって解釈が異なっていく

という間違い伝言ゲームを繰り返された結果、「ICTの教えるOBとはかけ離れた何か」があなたに回ってきたということです。

(あとでも書くことですが、)このような間違った情報をまとめたnoteが有料記事として売られていることすらあります。

「それはICT SMCではない」という簡単なサイン

SNS・ブログ・YouTube等でSMCを教えている人を見かけたとします。

以下単語を「1つでも」その解説の中で見かけたら、

「ICTのYouTubeでSMCを学習した人ではなく、パクリYouTuberから学習した人(根拠がない内容を発信している)」というサインです。

▼ICT SMCではないサインとなる単語

  • CHOCH / Change of Character
  • BOS
  • POI / Point of Interest
  • Supply / Demand
  • Wyckoff(ワイコフ)
    → 「ワイコフ理論から生まれたのがSMC」は典型的な誤り
  • Inducement
  • CISD / CSD
  • CRT

※ 単語の意味を知る必要なし

▼理由

  • SMC開発者のICTが、これら用語を定義したことはないし、使ったこともないから
  • SMC開発者のICTが、これらがSMC解説に使われることを激怒しているから
  • ICTのSMCを学習した人なら、上記2点を「かならず」理解しているから

特に多いのは「CHOCH、BOS、Supply/Demand」あたりですね。

これら無関係な単語を解説のなかで1つでも見た瞬間に、

覚える必要の全くない、SMCに無関係な、何の根拠もない余計な定義を増やして覚えさせられている

SMCに関係ないものを「これがSMCです」とウソを教えられている

そもそも、その人はICTが教えるSMC・アルゴリズムを何も理解していない
(ICTではなくパクリYouTuberを情報源にしているから)

と思ってください。

繰り返しますが、SMCはICTが開発した概念です。

そのICTが「そんな用語知らん、勝手に追加するな、ふざけるな」と言っています。

その用語をSMC分析の中で使う根拠はどこにあるか...?

ないですね。

以下、例として「Supply/Demand」にブチギレているICTの動画パートです(ここ以外にも無限にあります)。

※大声で叫んでいるので音量注意

▼ICTの動画から引用

Market Review \ February 09, 2023

ーーー以下意訳ーーー

俺に「これはSupply Demandだ」ってバカみたいに言いに来ないでくれ。Supply Demandなんて関係ない。繰り返すぞ、"全くこれっぽっちも"関係ない。

ーーー以下原文ーーー

Please don't come to me with Mickey Mouse shit, Supply and Demand. It's nothing like that. It's NOTHING like that.

・・・

以下はほんの例の一部ですが、

「あなた、ICTがどのようにSMCを教えてるか絶対に知らないよね?」

というレベルの何の根拠もないウソSMCを平然と教えるYouTube動画/ブログ記事がゴロゴロ見つかります...。

ICTが定義した用語でもないのに「これがSMCです」と解説している人の理論には、信頼すべき根拠がありません。

また、他のサインとして、

移動平均線・MACD・ストキャスティクスなど、インジケーターを表示しながらSMCを解説している人も、ICTのSMCを理解しているとは言い難いです。

ICTは、あらゆる全てのインジケーターの有用性を完全否定しているからです。

ただ、もし「私はICTのSMCを学習し、自分で他ツール・インジケーターを組み合わせてトレードする手法を独自に検証し、理論化しました」と明言して教えているかたがいたのであれば、その方は誠実だと思います。

「SMC開発者であるICTがインジケーター等他の考えを組み込むことを否定している」という原則論を理解した上で、独自に肉付けしていくのは個人の自由なので。

有料・高額の商材に注意

SMCは、

  • 英語を理解できる日本人は少なく、英語を理解できる日本人トレーダーはさらに少ない
  • つまり、日本語の正しい情報が圧倒的に少ない=ウソをついてもバレない

という状況を利用して、全く根拠のないウソ情報をあたかも価値のあるモノとしてあなたに大きな期待を持たせ売りつけるのはカンタンである

...という点は、身を守るためによく把握しておいたほうが良いです。

  • SMCではないものを「これがSMCです」として有料記事を売っている
  • SMCではないものを「これがSMCです」と教える高額な有料コミュニティ/サロンのようなクローズド空間に誘う

という話をフォロワーさんから聞くことがあるので、もしそういうものを見つけたら、飛びつく前によーく考えましょう。

「簡単・これを覚えるだけ・3ヶ月で誰でも」といった大ウソ煽り文句とセットになって売られていたり、

先ほどの章で挙げた「ICT SMCではないサインとなる単語」を使ってウソSMCを解説している人が売っている場合は要注意。

(そろそろ、ぼくのブログを読みながら・情報源をぼくのブログにしながら、そうとは言わずにICTの動画でSMCを習得したフリをするSMC商材販売者が出てくるのではないかな...とか思ったり)

他にも、無料だけど「テキトーな嘘SMC情報をエサに人を集めて他商品のアフィリエイトリンクを踏ませるのが目的」としか思えないようなLINEのオープンチャットなどが実際にあります。

「カモ」にならないように気をつけてください。

ちなみに:

参考程度に、日本語SMC界隈では割と有名?らしい「日本語でSMCを解説する高額商材」の信頼性について論じた記事を置いておきます。

関連記事11万円SMC日本語商材の信頼性をICTガチ勢の観点で推論

なら、どうやって学習を始めれば?

英語リスニング/リーディングができるなら

ICT Mentorship 2022 >> を一通り見ながら実際にチャートをいじってみてください。

「英語のリスニングは無理だけど、読むだけならなんとかできる」というかたは、YouTube英語字幕をオン。

英語字幕は精度が良いので理解できるレベルになってます。

英語が分かるのであれば、大量にいるSMCパクリYouTuberの動画を参考にするメリットは何もありません。

(ICTの動画を見た結果、意味不明だから他の人の動画に救いを求めるということなら仕方ありませんが)

つい「ICTよりも動画が短くて簡潔にまとまっていそうだから」という理由でICT以外の動画を見たくなりがちですが、根拠のない誤った知識を植え付けられるデメリットが大きすぎます。

日本語で学習するなら

まずは、ICTの動画を日本語自動字幕で理解できるか挑戦してみてください。

繰り返しになりますが、ICT SMCとは無関係・無根拠のSMC情報にはじゅうぶんご注意を。

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