スマートマネーコンセプト/Smart Money Concept(SMC)とは

- ICT SMC -
2024.06.09
smart money concept/スマートマネーコンセプトとは

スマートマネーコンセプト・Smart Money Concept(SMC)とは

  • Inner Circle Trader(ICT)が考案したチャート分析手法で、
  • 全ての値動きは、大口投資機関の「売買ソフトウェア(AI)」によって100%操作されているという事実を逆手に取る手法
  • 使うのはフィボナッチ・リトレースメントのみ、インジケーター等は信用しない
  • メリット:「価格がなぜそう動くのか」が分かる
  • 暗号資産を除いた全ての市場で適用できる
  • ICTを一次情報源としない"偽"SMCが蔓延しているので注意

スマートマネーコンセプト/Smart Money Conceptとは

  • Inner Circle Trader(ICT)が考案者
  • 大口投資機関の売買プログラムによる価格操作を個人トレードに応用
  • フィボナッチ・リトレースメント以外、何も使わない
  • メリット:価格がなぜそう動くのか、分かる

Inner Circle Trader(ICT)が考案者

ICTは、1992年から30年以上もトレードを生業としているイギリスのデイトレーダー(現在はアメリカ在住のもよう)。

「ICT」はもちろんニックネームで、中の人の名前は

Michael・J・Huddleston / マイケル・J・ハドルストン

といいます。

海外のトレード界隈では有名人で、Xのフォロワーは50万人超え、YouTubeチャンネル登録者数は120万人超えのスーパーインフルエンサー

Xアカウント:@I_Am_The_ICT

YouTubeチャンネル:The Inner Circle Trader

とくにYouTubeでの発信コンテンツが充実していて、ぼくは最初にICTの動画を見た時、

こんな具体的な手法を無料で教えてくれちゃっていいわけ...?

と思ったものです。

ICT本人も「俺のSMCをパクってる他のYouTuberのサロンに金を払う必要なんてない、全部無料で公開してる俺のYouTube動画を見ろ」と言っているほど。

ICT YouTubeおすすめ動画

smart money concept/スマートマネーコンセプトとは

2022 ICT MentorshipはEpisode 42までありますが、EP2を見るだけでSMCの考え方が簡潔に分かります。

また、ICTは全てのコンテンツを無料で公開しており「この先が知りたければ有料」といった高額な情報商材を売りつける、ということもないので安心。

大口投資機関の売買プログラムによる価格操作を個人トレードに応用

まず、SMCは「全ての値動きはAIによって完全に操作されている」という前提でチャートを見ます。

※ Smart Money/スマートマネー = AI

AIとは人間の手でプログラムされたコードであり、つまりロジックがかならず存在する。

そのロジックは、どこで買い、どこで売るように作られているのか。

それをチャートから読み取って個人トレードに活かすのがSmart Money Concept。

ちなみに、ICTはその売買プログラムの開発者でもあるようです(真偽は不明ですが...)。

YouTubeでも「私はコンピューターサイエンス出身のデベロッパー(プログラマー)」と言っていて、またICTのLinkedInのプロフィール ≫を見ると、

I am the Engineer of IPDA
(私はIPDAのエンジニアです)

という自己紹介があります。

IPDAとは、Interbank Price Delivery Algorithm=金融機関が使う自動売買プログラム」のこと。

金融の世界は常に進化し、変化しているが、近年最も重要な発展のひとつは、IPDA(インターバンク価格デリバリーアルゴリズム)の出現である。この革新的なコンピューター・プログラムは、銀行などの金融機関が外国為替市場のような市場で取引を執行する方法に革命をもたらしている。(省略)
この高度なアルゴリズムは、コンピュータ・プログラムとソフトウェアを使用して実行されるため、取引を高い精度で自動的に実行することができる。これにより、人間の介在が不要となり、エラーのリスクを大幅に軽減し、取引執行のスピードを向上させることができる。

引用元(medium.com)記事より一部引用し翻訳

なので、ICTからすると、

  • 全ての値動きは、この売買プログラムによって操作されている(プログラムが決めた方向に価格を上昇/下落させることができる)
  • そして、このプログラムには値動きの特徴がある(というのを作った本人だから知っている)
  • それをチャート上に現れる値動きのしかたから読み取り個人トレーダーが乗っかるだけ

...ということのようです。

フィボナッチ・リトレースメント以外、何も使わない

SMCは、

  • チャート上に引くツールはフィボナッチ・リトレースメントのみ
  • トレンドライン・チャネル等のツールは「一切」使わない
  • 移動平均線・MACD・ストキャスティクス等インジケーターは「一切」表示しない

というのが大きな特徴だと考えています。

これらツール・インジケーターは無数の「バカなトレーダー達」が使っているものだからです。

  • スマートマネー:smart=賢い=AI
  • ダムマネー:dumb=バカ(稼げない)=個人トレーダー

という対比された呼称があります。

インジケーターの選定や設定不要、見るのはチャートにプリントされたローソク足だけ。

SMCはインジケーターや余計なツールを使わないので、チャートが線だらけにならずクリーンになるのがいいですね。

メリット:価格がなぜそう動くのか、分かる

ある程度ICTのSMCを理解すると、

ん?なんでここで反転してるんだ?

ということはほぼほぼありません。

プリントされたローソク足にはかならず「スマートマネーの痕跡」が残るからです。

ICTいわく、

SMCの考え方を1度知ると、2度と知る以前と同じようにチャートを見ることができなくなる

とのこと。

これは、まさにその通り。SMCを知らずにトレードを頑張っていた過去の自分に教えてあげたい。

SMCはどの市場分析で有効か:暗号資産以外の全ての市場

  • FX・株式(インデックス)・コモディティ等全てのチャートに応用可能
  • ただし、暗号資産市場のみSMCの分析が機能するかは保証はしない

というのがICTの主張です。

ICTは暗号資産トレードを一切行っていないため「僕(ICT)の弟子達はSMCが機能するとは聞いているが、僕は効果を保証できない」と言っているので注意。

ICTのYouTubeメインコンテンツであるICT Mentorship 2022 >>では、ほとんどの動画で米国株インデックス(S&P500、NASDAQ等)のチャートを例に使って解説していますが、そのチャートから学べることは全てFXなど別の市場のチャートに適用できます(とICTが明言しており、実際にICT自身がトレードをしている)。

SMCを学習する上での注意:それ、SMCじゃないかも

Smart Money Concept(SMC)は、ICTただ一人が開発した分析手法なので、

この2つ↓が信頼性のあるSMC情報源です。

  1. ICTのYouTubeチャンネル >>で発信されている内容
  2. ICTのYouTubeを情報源に学習した人が、ICT SMCについて発信している内容

以下ポストしているとおり、

「ICTと無関係の間違いパクリSMC動画をもとに学習した人が、SMC間違い動画を作ってしまうループ」のせいで誤った情報であふれているのも、SMC学習を難しくしている主要因。

英語日本語関係なく、検索して見つかるSMC情報の大多数は、ICT以外のパクリYouTuber発信の間違った動画か、その間違った動画をもとに複製されたものです。

厄介なのは、何が間違いかはICTのYouTubeでSMCを学習した人にしか分からない

ということ。

たとえ教えられたものが完全に間違っていたとしても、何も知らない人は受け入れるしかなく、

「これ、SMCじゃなくね?ICTはそんなこと言ってなくね?」と疑うキッカケすら生まれないからです。

逆に言えば、ICTのSMC学習者なら、その人がICTを情報源に学習した人か、ICT以外の間違いYouTuberから学習した人か、すぐに分かります。

ちなみに

SMC理論で有名な「オーダーブロック/Order Block/OB」を学習したことがあるかたへ向けて、もう少し具体的に書いてみます。

OBって結局どのローソク足なの?

定義が人によって違ってる気がして、よく分からないな...

...と感じたことはないでしょうか?

分かりにくいと感じる理由は、

ICT以外のパクリYouTuber発信者がOBを間違って解説

それを元に学習した人が、YouTube/Twitter(X)で教える(当然間違っている)

それを元に学習した人が...以下ループ

※ ループが進むごとに人によって解釈が異なっていく

という間違い伝言ゲームを繰り返された結果、「ICTの教えるOBとはかけ離れた何か」があなたに回ってきたということです。

▼よくある間違い例

「それはICT SMCではない」というサイン

ICT以外の人がSNS上でSMCを教えている人がいたとします。

以下単語を「1つでも」その解説の中で見かけたら「ICTのYouTubeでSMCを学習した人ではなく、パクリYouTuberから学習した人(根拠がない内容を発信している)」というサインです。

▼ICT SMCではないサインとなる単語

  • CHoCH/Change of Character
  • POI/Point of Interest
  • Supply/Demand
  • Wyckoff(ワイコフ)
  • Inducement

※単語の意味を知る必要なし

▼理由

  • SMC開発者のICTが、これら単語を使わないから
  • SMC開発者のICTが、これらがSMC解説に使われることを激怒しているから
  • ICTのSMCを学習した人なら、上記2点を「かならず」理解しているから

以下は例ですが、「ICTのSMCではないSMC解説(何の根拠もない)」がYouTubeなどでゴロゴロ見つかります...。

「そのSMC理論が正しいかどうか」は、究極論「ICTがそう言ったか言わないか」なので、ICTが絶対使わない単語で解説している人の理論には、信頼すべき根拠がありません。

また、他のサインとして、

移動平均線・MACD・ストキャスティクスなど、インジケーターを表示しながらSMCを解説している人も、ICTのSMCを知っているかたではありません。

ICTは、あらゆる全てのインジケーターの有用性を完全否定しているためです。

ただ、もし「私はICTのSMCを学習し、自分で他ツール・インジケーターを組み合わせてトレードする手法を独自に検証し、理論化しました」といって教えているかたがいたのであれば、その方は誠実だと思います。

ただ、それでも「何かを売りつけてくる人」なら注意したほうが良いかと。

実際に稼いでいるなら正統なSMCじゃなくていい、という考え方もアリ

ここまで「偽SMCにじゅうぶん気をつけろ」と書いてきましたが、

「日本語で学習する」という縛りをつけるとなると、SMCの情報はとても少ないのも事実。

なので。

SMCを発信している人がいるけど、ICTのSMCではなさそうだ...

という場合、

以下2つの条件を満たす場合、その方が発信する内容をICT SMCとは異なる理論と理解した上で信頼するのはアリ

と考えます。

▼2つの条件

  1. デモではなく、リアルマネーをトレードで実際に稼いでいる
  2. SMCの情報をエサに、SMCとは無関係の高額商材を売りつける等してこない

トレードは誰しも稼ぐためにやっているので、「稼げている方法が正義」というのは間違いないと思うからです。

ただし、SMCで引き付けてから、何かしら高額な商材販売をしてくる等ある場合は注意してください。

ちなみに:

ぼくは普段はICTを発信源とする情報以外、英語日本語関係なくシャットアウトしています。

そのため、日本語で「ICTが教える通りの」SMCを教えている人/稼いでいる人を能動的に探したことがないので、いるかどうか・どれほどいるかまでは知りません。

なら、どうやって学習を始めれば?

英語のリスニング/リーディングができるなら

ICT Mentorship 2022 >> を一通り見ながら実際にチャートをいじってみてください。

英語が分かるのであれば、大量にいるSMCパクリYouTuberの動画を参考にするメリットは何もありません。

つい「ICTよりも動画が短くて簡潔にまとまっていそうだから」という理由でICT以外の動画を見たくなりがちですが、誤った知識を植え付けられるデメリットが大きすぎます。

日本語で学習するなら

まずは、ICTの動画を日本語自動字幕で理解できるか挑戦してみてください。

繰り返しになりますが、ICT SMCとは無関係・無根拠のSMC情報にはじゅうぶんご注意ください。

Order Block / Fair Value Gap 参考情報

ぼくはICTの教えに基づいた分析をポストしているので、ICTの教えるorder blockやfair value gapを視認する目のトレーニング程度に参考にしてみてください。

FVGの基礎をまとめた記事も参考にどうぞ。

関連記事ICT フェアバリューギャップ/Fair Value Gapの基礎

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