ICT オーダーブロック/Order Blockの基礎
Smart Money Concept/スマートマネーコンセプト産みの親であるICTが提唱するオーダーブロック(OB)を解説していきます。
スマホではチャート画像が見にくいため、PCからアクセス・閲覧を推奨
OBとは、視覚的には以下のようにサポート/レジスタンスとして機能するローソク足のことです。
▼サポートになる「Bullish OB」
▼レジスタンスになる「Bearish OB」
本記事では、OBに関する以下疑問を解決します。
- OBって結局どのローソク足なの?
→ ブレることがない「定義」が分かる - OB、効いたり効かなかったりでよく分からないんだけど?
→ 今まで知らなかった「効くOB」が分かる - OBの「Mean Threshold」って何?
→ OBの知識をもう一歩先へ拡張できる
▼ちなみに
OBは、SMCを構成する理論の中で最も誤解釈が広まっている概念で、ICTに根拠を置かない誤ったOBの解説がとても多い。
間違った解説からまた別の誤った解釈が生まれ「人によって言うことが全く違う状況」です。
本記事では情報の信頼性を担保するため、
- 情報ソースはICTのYouTube動画のみ(以下ソース動画を参照)
- 「自分はこう考える」という主観や「ICT以外の人はこう言ってる」というICTに根拠を置かない解釈は一切交えない
- もし主観を交える場合、そう注意書きを置く
▼信頼性根拠となるソース動画
ー もくじ ー
ICT オーダーブロック/Order Block 基礎
OBには、2種類。
- Bullish OB:サポートとして機能
- Bearish OB:レジスタンスとして機能
Bullish Order Block 定義 と 効果
最初に、ローソク足がどのようにBullish OBになるのか?を見ていきます。
▼まず、この陰線に注目。これが後にBullish OBになります。
※ サポートレベルに到達(Sell side Liquidityを取る・Bullish FVGを埋める等)しており、この後は下落より上昇が期待されるもの(Bias=Bullish)と仮定します
▼Bullish OBの定義
- 以下のように、陰線の高値を超えた時点で、その陰線がBullish OB
※ 超えた足の確定を待つ必要はない
「え?OB成立の定義はこれだけ?」と思うほどシンプルであることが分かりますね。
▼Bullish OBの効果
▼Bullish OBがサポートとして機能=OBに触れた後に価格上昇が期待ができます。
▼つまり「Bullish OBの安値を下回る可能性は低いだろう」という期待ができます。
▼この後、Bullish OBがサポートとして機能。OB安値を下回ることなく上昇。
OBの安値を割らない限り、そのOBは有効と考えます。
当然のことながら、チャートの動きに「必ず毎回ピッタリ」はありえません。
- 始値でピッタリ反応するとは限らないが、
- 始値が最もセンシティブに反応する"可能性が高い"ライン
というふうに考えておきます。
・・・
▼ここまでのOBの定義・効果をふまえた上で、以下復習の画像です。
陰線の高値を超える=OB成立 → OBがサポート
これでOBの超・基本的なイメージができるようになったでしょうか。
ここまでをまとめると
Bullish OBとは、
- 陰線の高値を超えた時点で成立し、
- 始値のラインがBullish OBとして最も反応しやすく、
- サポートとして機能する可能性が高いので、
- OBをロングエントリーポイント、OB安値を損切りラインとして使える
ちなみに...
▼始値ではなく「高値のヒゲ先」をBullish OBとしても問題ありません。
とはいえ、基本的に「始値=OB=最も敏感に反応する可能性のあるライン」です。
ICTは「Order Blockは、ローソク足のヒゲではなく実体にフォーカスすれば良い」とこの動画内 >>で言っています。
そして、実際にICTはYouTube解説動画の中で、ほとんどの場合において始値にOBのラインを引いています。
以降も、始値にOBのラインを引いていきます。
Bullish Order Block 定義2:連続した陰線
Bullish OBには、もう一つ認識すべき別パターンがあります。
▼それはこのように「連続した陰線が並んでいる場合」です。
- 「連続した」陰線の最初の陰線の始値もBullish OBであり(OB 2)、
- 最後の陰線の始値もOBである(OB 1)
- 4本5本と連続していても「最初と最後」の陰線の始値がOBのライン
後の章でも書くことですが、「反転直前の陰線1つだけ(OB 1だけ)」がBullish OBと誤って解説されることが多いので注意してください。
・・・
以下、陰線が連続している場合にBullish OBが成り立つ様子を順番に見ていきます。
▼直前のOBで反応し、矢印で示した陰線の高値を超えたため、Bullish OBとして有効になりました。
▼直後のローソク足がOBをタッチした後に上昇しており、サポートとして機能しています。
▼さらに次のローソク足で、連続した陰線の高値を更新。この時点で「OB 1」と「OB 2」が有効になっています。
結果、この後「OB 2」に反応して上昇を継続。
つまり。
「連続した陰線の最初の陰線始値もOBである(上図OB 2)」ということを理解しないと、
- なぜそこで反転・上昇したのか理由が分からない
- エントリーできたはずのところでエントリーできない
という大きなデメリットを引きずり続けることになるので注意してください。
ここまでをまとめると
陰線の高値を超えた時点で始値のラインがBullish OBとなるが、
- 陰線が一本しかなければ、その始値がBullish OB
- 連続した陰線があれば、最初の陰線始値もBullish OBとなる
(複数本をまとめて1つのOBとみなす)
Bearish Order Block
Bearish OBは、ここまで書いてきたBullish OBの考え方・ローソク足の色を逆にしただけなので、段階を踏んだ図解は省略します。
Bearish OBとは、
- 陽線の安値を下回った時点で成立し、
- その陽線始値のラインがBearish OBとして最も反応しやすく、
- レジスタンスとして機能する可能性が高いので
- OBをショートエントリーポイント、OB高値を損切りラインとして使える
- 連続した陽線があれば、最初の陽線始値もBearish OBとなる
※ Bearish OBは、必ず陽線です
上記ポイントを読んだ上で、以下チャート例をご覧ください。
▼上図を見て「ここもBearish OBが効いているのでは?」と思った方は正解です。
▼ここにも効きそうなBearish OBがありますが、触れることなく下落していきました。
OBを使った最もシンプルなトレード方法
最も基本的なOBの定義を解説している以下のICTの動画では、最もシンプルなトレード手法も紹介されています。
参考ICT Mentorship Core Content - Month 04 - Orderblocks
それが、以下4ステップ。
- サポートに到達(この場合、Sell side Liquidityを取る)
- OBが生成される
- OBでロング
- 直前highで利確
Bearishの場合は逆にして考えるだけです。
上位足のオーダーブロックは影響力が大きい
上位足になるほど、OBのサポート/レジスタンスとしての強度が高まります。
▼上記図、ドル円「日足」の2023年11月から12月末にかけて151円から140円まで暴落した部分を拡大して見ると「日足Bearish OBが起点になって暴落が起きている」ことがわかります。
▼さらに長期の月足でドル円を見ると、2016年から現在にいたるまで「大暴騰・大暴落のキッカケの多くが月足OB」と言っても過言ではない影響力があります。
なんでこんなところで急反転してるんだ?
と思ったら、月・週・日足OBに気づいていなかった...
ということはよくあります。
▼上位足キーレベルに気付かないとこうなる
このように、日/週/月足でキーレベルを見逃すと「なんでここでこんな強く反転してんのか、しっくりこないな...」ということになるので、上位足は毎日しっかりチェックしようという好例でした😪
個人的に、この例の通り直前で生成された日足OBをよく忘れがち https://t.co/vFQDAdDZxB— Yuki📈|ICT SMC Trader (@YUK1_WORLD) September 18, 2024
下位足に対して長期的に影響を与える
▼月足OB → 週足・日足の例
▼ドル円が103円から160円へと上昇するキッカケとなった月足のBullish OBがあります。
▼この月足OBを週足に拡大してみると、何週間にも渡って月足OBのライン上でさまよっており、上昇に備えてスマートマネーがロングをじわじわと積み増しているのが見てとれます。
最初に月足OBタッチしてから10ヶ月以上経った後でも、月足OBはサポートとして機能していることになります。
▼さらに日足に拡大してみると、何度か月足OBの下へ突き抜けてはいるものの、矢印部分で月足OBにタッチしたのをキッカケに急上昇を開始。
▼後の章「効く可能性の高いOrder Block」で書きますが、このOBに日足FVGが重なっているのもポイント。
▼別の例。ドル円の月足Bearish OB。
週足に拡大すると、1年半以上の時を経ても、これ以上ないほど正確なレジスタンスとして機能し続けています。
▼日足OB → 1時間足の例
ユーロドル、日足のBullish OBがあります。
▼この日足OBを1時間足で見ると、1回目はOBのラインより下へ食い込んでいますが、2回目のタッチで正確に反転しています。
この例でも、1時間足Bullish FVGがOBとちょうど重なっているのでサポート力が高まっています。
このように、上位足のOBは下位足のローソク足に対して支配的・長期的な影響を与える
下位足を分析する前に、月足〜週足〜日足にOBはないかのチェックを怠らないこと
オーダーブロック よくある間違い
ネット上の"SMC指導者"によるOB解説を見ていて、よくある間違いはこの2つ。
- Bullish OBが陽線・Bearish OBが陰線 → 間違い
- "最後のローソク足1つ"がOB → 間違い
これらは「超基本」なので、この認識を間違っている人にSMCを教える側に立つ資格はないと考えています。
それくらい、基本中の基本かつ重要なことです。
間違えたOBで覚えてしまうと、後の章で書く重要な「OB Mean Threshold」も正しく認識できなくなります。
Bullish OBが陽線・Bearish OBが陰線 → 間違い
- Bullish OB = 必ず陰線
- Bearish OB = 必ず陽線
このルールに例外なし
▼Bullish OB
▼❌間違い:
陽線をBullish OBにしている。間違っているので「OBに届かずに反転してしまった...」と考えてしまう。
▼⭕️正しい:
Bullish OBは必ず陰線。しっかりとサポートとして機能していることが分かる。
▼Bearish OB
▼❌間違い:
陰線をBearish OBにしている。間違っているので「OBに届かずに反転してしまった...」と考えてしまう。
▼⭕️正しい:
Bearish OBは必ず陽線。しっかりとレジスタンスとして機能していることが分かる。
上図で「OBを正しく認識できること」の重要性が理解できたでしょうか?
OBを間違えて覚えると、本来はOBに到達して反転しているのに、
「到達せずに反転してしまった」
「なぜそこで反転したのか分からない」
「エントリーできたはずのところでエントリーできない」
...ということが起こりえます。
この基本を間違えて教えている動画・記事がとても多いので要注意。
"最後のローソク足1つ"がOB → 間違い
OB定義の章ですでに書いたことですが、大事なことなので繰り返します。
"最後の"とは限りません。
陽線・陰線が連続していれば「最初の」ローソク足始値もOBになります。
反転直前の「最後のローソク足のみ」をOBとしてチャート上にマークして解説している動画・記事には注意してください。
その他、見かける間違い
もし、以下単語を見かけたら無視してください。
- 強いオーダーブロック/弱いオーダーブロック
- OBIM(オーダーブロックインバランス)
※ 意味を知る必要なし(ぼくも知らない)
ICTはこのような用語を定義をしたことはありません。
ICTパクリYouTuberによる誤った解説をコピー翻訳しているものと思われます。
> 強いオーダーブロック、弱いオーダーブロックが存在します
こういう無駄な定義を勝手に増やすのやめてほしい😥
SMC初学者が「え、強いOB/弱いOB?なんか新しい用語きた。誰かもっと詳しく教えて」と全く本質的じゃないどうでもいい事に余計な時間を割くキッカケになるんよhttps://t.co/ZKptYETjyn— Yuki📈|ICT SMC Trader (@YUK1_WORLD) July 27, 2024
↑このサイトやサイト運営者YouTubeはよく検索ヒットしますが、SMCに関する情報は全般的に「ICTはそんなこと教えてないよね?誰がそんなこと言ってる?ソースは?」という信頼性の低い内容なので、要注意。
間違いOBの理解度チェック
以下のようにBullish OBを引いて「ここはサポートになるかな?」と考えています。
何が間違いでしょうか? スクロールする前に考えてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
▼正解
OBをこのように解説する人が多すぎますが、これはOBではありません。
ICTの解説を理解しないまま拡散された誤用OBなので要注意です。
効く可能性の高いOrder Block
ここから先は、Liquidity・Fair Value Gap(FVG)の基礎理解が前提です。
必ず、チャート上でLiquidity・Bullish FVG・Bearish FVGを正確に視認できるようになってから読み進めてください。
▼関連記事
サポート/レジスタンスとして効く可能性が高いOBの条件の典型的な例は、以下です。
- 【大前提】Biasが合っていること
- 【最重要】FVGにOBが重なる
- FVG + Premium/Discount
- FVG + Premium/Discount + Liquidity
「FVG + Premium/Discount」とOBの組合せは、シンプルながら強力。
1つより2つ、2つより3つと重なる要素が多いほど強固なサポート/レジスタンスになります。
【大前提】Biasが合っていること
- BiasがBullish = Bullish OBが敏感に反応しやすい
- BiasがBearish = Bearish OBが敏感に反応しやすい
つまり、自分が狙ったOBが効かない=価格の方向性(Bias)を読み間違えていることを示すサインのひとつ
Bias/バイアスって何?という方は、以下記事を読んでみてください。
▼関連記事
FVGの性質を利用した活用方法:価格の方向予測(=Bias)【最重要】
Biasの概念を理解するのはSMC初学の段階では難しいかもしれないので、もし上記記事を読んでも「よく分からん」となってしまう場合、
Bullish Biasを「上昇トレンド」、Bearish Biasを「下降トレンド」と読み替えればいったんはOKです。
ただし、一般的な「トレンド」とSMCの「Bias」は厳密には異なります。
▼Biasを読み間違えているとどうなるか、の例
以下、下落→サポートに到達→反転上昇しBias=Bullish、という状況を仮定します。
▼Liquidityを取ると同時にFVGに反応して下落、直前の安値を下抜けてマーケットストラクチャーがBearishにシフト(MS⬇︎)。これを見て「ショートのチャンス」と判断したとします。
▼生成されたBearish OBにちょうど重なるFVGがあるため、OBでショート。しかし、レジスタンスとして全く効いておらず負けてしまう。
...とこのように、BiasがBullishのときにBearish OBでショートしても、成功する可能性は低くなります。
▼BiasがBullishの場合、Bullish OBがサポートとして効きやすく、OBに触れたことがトリガーとなり上昇している
▼逆に、BiasはBearishなのにBullishと間違えている場合
fib0.5より下=discountにあるBullish FVGがBullish OBに重なっているにもかかわらず、OBはサポートとして全く機能せず。
▼BiasがBearishの時は、落ち着いてBearish OBを待ってショートした方が成功確率が高くなる。
つまり、
- OBを正しく認識できている
- 後に書く「効きやすいOB」の条件を把握している
にもかかわらず、狙ったOBを突き抜けてしまう場合、マーケットが上をターゲットとしているのか下をターゲットとしているのかの「Bias」を読み違えているサイン。
1. 【最重要】FVGにOBが重なる
FVGにOBが重なっていることで、OBが価格を支える可能性が高まります。
▼Bullishパターン
Bullish OBに、Bullish FVGが重なっている例。
「重なる」とは「FVGを埋めつつOBに刺さる」というイメージ。
FVGを完全に埋め終わった後にOBに刺さる場合もあれば、FVGを埋める途中にOBに刺さることもあります。
FVGは価格を引き寄せる性質があるのでした。
上図を見ると、FVGが引き寄せる→OBに触れて反発、FVGがまた引き寄せる→OBに触れて反発と繰り返して価格を支えていることが分かります。
▼Bearishパターン
ドル円「日足」151円から140円まで暴落した部分。
Bearish OBで反転下落している部分は、もれなくBearish FVGが重なっています。
▼別の例
ICTは、SMC初学者向けに「OBよりもFVGの存在がまず重要である」と以下動画部分で明言しています。
参考動画2022 ICT Mentorship Episode 18 00:40:51〜
What makes an Order Block valid? It has to have an imbalance.
Without the imbalance, there is no Order Block.
訳:
効果的なOBとは何か? OBはインバランス(=不均衡=FVG)がなければならない。FVGがなければOBも存在しない。
FVGが重なって初めてOBが効く。
これはICT SMCの初学者にとっては重要事項なので、そう覚えた上で過去チャートをバックテストしてみてください。
・・・と、ここまで覚えたところで復習です。
記事冒頭で挙げた以下画像のOBに、FVGが重なっているのが見えるようになったでしょうか?
2. FVG + Premium/Discount
Premium/Discountとは
フィボナッチ・リトレースメント(fib)0.5をswing low → swing highで引き、
- 0.5より上がPremium=高すぎゾーン=アルゴリズムはショートを積む
- 0.5より下がDiscount=安すぎゾーン=アルゴリズムはロングを積む
というSMCにおける考え方のこと。
▼関連記事
▼Bullishパターン
安すぎ・売られすぎゾーンである「Discount」にあるFVGがOBと重なることで、サポートとしてより効く可能性が高まります。
BiasがBullishの時、アルゴリズムはDiscountの価格帯を「安すぎてお買い得!」と判断し、ロングを積み増します。
▼別の例。fib0.5より下=DiscountにFVGとOBがある。
▼しっかりとDiscountにあるFVG + OBで反応している。
▼Bearishパターン
高すぎ・買われすぎゾーンである「Premium」にあるFVGがOBと重なることで、レジスタンスとしてより効く可能性が高まります。
BiasがBearishの時、アルゴリズムはPremiumの価格帯を「高すぎて売り得!」と判断し、ショートを積み増すからです。
▼別の例
▼別の例
▼上図と同じチャート。
「なぜこのFVGは上に突き抜けてしまうか」というと、Discount=お買い得ゾーンにあるFVGなので、アルゴリズムからすると「ここはまだまだ買い」と判断されるからです。
3. FVG + Premium/Discount + Liquidity
これまで見てきたFVG・Premium/Discountに「Liquidityを取ること」という要素が加わることで、よりOBが効く可能性が高まります。
重なる要素が多いほど効く可能性がより高まるということですね。
▼Bullishパターン
Discount FVGを埋めにいくときにSell side Liquidityも同時に取るような動きがあれば理想的。
▼Bearishパターン
Premium FVGを埋めにいくときにBuy side Liquidityも同時に取るような動きがあれば理想的。
ドル円日足を例に、ここまでのおさらい
▼2024年4月29日、ドル円160円に到達後の日足チャート。
上図の矢印部分、153.6円でなぜ下げ止まって反転したのか?を、ここまで書いてきた内容をもとに考えてみてください。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
▼まず、Bullish FVGがあります。
▼PremiumからDiscountの価格帯まで下落しています。つまり「売られすぎ・安すぎ」の状態。
そしてBullish OBタッチをトリガーに、約400pipsも急反転・上昇。
▼矢印部分を5分足で拡大してみると、FVG + Premium/Discountと組み合わせたOBの精度の高さがよく分かるかと思います。
実際にご自分のドル円日足チャートで、上記と同じようにFVG・Premium/Discount・OBを引き、各時間足でどう反応しているかチェックしてみてください。
SMCの理解は、実際に自分の手を動かすことでしか身に付きません。
インジケーターもチャネルもトレンドラインも使わずに、リアルタイムにこの精度でシンプルに分析できるようになったときの「美しさ」には鳥肌が立つこと間違いなし。
注意:「OBでエントリー」はエントリーを逃す可能性が高まる
FVGにOBが重なるといいのか...と知ると、
以下のようにFVGを埋めて「OBにタッチしたらエントリーしよう」と考えがち。
▼というのも、大抵の場合はFVGでエントリーをするよりOBを待ったほうがリスクリワード(RR)比率が良くなるんですね。
実際、discount FVG埋め→OBロング・premium FVG埋め→OBショートは、1pipsも違わず完璧なエントリーを決められることが多いです。
が、しかし。
▼FVG埋め→OBでエントリーは、完璧なエントリーを決められる可能性と同じくらい、エントリーチャンスを逃す可能性もあることを認識しておくこと。
▼別の例。OBに届かず。
▼別の例。明らかに「FVGを埋め終わったこと」をトリガーに反転している
▼別の例。FVGにOBが重なるからといって、高望みしすぎてショートを逃した例。
FVGに価格を引き寄せる特性はありますが、OBにその特性はありません。
価格はあくまでもFVGを求めて(不均衡を均衡しに)動いてくるのであって、OBを求めてくるのではありません。
FVG埋めた後のOBでエントリーを待つ
↓
FVGを埋めてOBに届かず反転していってしまう
↓
それを見てイライラしてしまう
(その直後に感情的なエントリーをしがち)
・・・ということは「あるある」なので、OBに対する過信は要注意です。
ICTは初学者に対して
「OBでエントリーするな、FVGでエントリーしろ(OBよりもまずFVGを信頼することを覚えるべき)」
と何度も繰り返し動画内で注意しています。
#ドル円 SMC
ICT「初心者はエントリーにorder blockは不要、FVGを0.5pipsでも埋めたらエントリーしろ。order blockを待ってるとエントリーミスるぞ」
っていうお言葉通りになった例😅 https://t.co/rnC7QC6OSw— Yuki📈|ICT SMC Trader (@YUK1_WORLD) March 15, 2024
#ユーロ円 ←1時間足 1分足→
1時間足FVG埋め → OBタッチ → displacementを見てロングしようと思って、FVGが重なるOBで待ってたらこなかった。
ICT「初心者はOBを待つな、FVGでエントリーしろ。OBまで来ねぇぞ」っていう典型例😪 pic.twitter.com/fB1vitO6oM— Yuki📈|ICT SMC Trader (@YUK1_WORLD) April 23, 2024
Order Block Mean Thresholdとは
OBを覚えた後は、「Mean Threshold(ミーン スレショルド)」も併せて覚えておくと、さらに値動きの理解が深まります。
▼OB Mean Thresholdとは
- OBを構成する「ローソク足の実体の中間」のこと
- アルゴリズムがサポート/レジスタンスとして認識するライン
Mean Thresholdという単語だけみると難しいモノに感じてしまいますが、単純にフィボナッチ・リトレースメントでOB実体の半分を測るだけなので簡単です。
▼連続したローソク足でOBを構成している場合でも「実体の中間」という考え方は同じ。
ちなみに:
Mean Thresholdに適切な日本語訳はないので、Fair Value GapやOrder Blockと同じようにそのまま「Mean Threshold」と覚えます。
上位足のOB Mean Thresholdは認識しておく価値あり
FVG・OBと同様に、月足〜日足レベルのOB Mean Thresholdはそれ単体で価格を大きく反転させ得る強いサポート/レジスタンスになる可能性があります。
上位足OBだけでなく、OB Mean Thresholdもキーレベルとして認識しておくと「なぜそこで価格が反転したのか」についての分析がはかどるキッカケになるかと。
時に、驚くべき精度で反応することがあります。
▼例1
▼ドル円週足、2024年7月に161円台をつけた後に暴落しているところに注目。
▼週足で拡大。
2024年9月2の週にBearish OBのMean Thresholdをタッチして暴落している。
▼1時間足で拡大。
ほぼピンポイントでレジスタンスとして機能していることが分かり、Mean Thresholdをタッチしたことがキッカケで500pips以上も一方的に下落。
▼例2
ドル円日足、Bearish OBのMean Thresholdに、2024年2月13日にタッチ。
▼4時間足に拡大すると、わずか0.3pipsの誤差でMean Thresholdに1度だけタッチしたのをキッカケに、約400pipsも下落。
▼例3
▼ドル円週足、Bullish OBのMean Thresholdに、2023年12月25日の週にタッチ。
▼日足に拡大。2023年12月28日の安値に注目。
▼1時間足に拡大。週足Bullish OB Mean Thresholdにタッチした直後から強烈に反転している。
▼例4
ゴールド週足、Bearish OBのMean Thresholdに、2024年6月3の週にタッチ。
▼日足に拡大。2024年6月7日の高値に注目。
▼15分足に拡大。週足Bearish OB Mean Thresholdでピッタリ反応している。
実体の中間なのか、ローソク足全体の中間なのか問題
ICTの動画では時々「ヒゲも含めたローソク足全体の中間」をMean Thresholdとしている場合もあります。
なので「ヒゲを含めるのか、実体だけなのか、どっちなんだ!?」と悩んだことがあったのですが、
結論、
- ヒゲは含めず・実体の中間=Mean Thresholdが「原則」
と覚えておくとよいです。
▼その根拠
ICTはOBを解説する動画の中で「Mean Threshold計測にヒゲを含めるな」と確実に注意喚起しているからです。
参考ICT Mentorship Core Content - Month 04 - Orderblocks 09:52〜
You're going to measure the open to the close on the down candle to measure where the middle of it is.
Do not use the wicks, don't use the very high or the very low訳:
ローソク足の始値〜終値で中間(=Mean Threshold)を計測すること。
ローソク足の高値・安値、つまりヒゲを使ってはいけない。
実際、ヒゲを含めた方がより正確に反応している場合もありますが、「原則は実体で計測」です。
以上、ICT Order Blockの基礎知識でした。
ICT オーダーブロック まとめ
正しいOBの定義を理解したうえで、
- OBにFVGが重なること【最重要】
- OBにPremium/Discountが重なること
- OBにLiquidityが重なること
この3点の「効きやすいコツ」を知っているだけで、OBをよく理解していない人との差をつけることができる。
OB実体の中間=Mean Thresholdも、これを機会に忘れずに。
きっと、見えるチャート上の世界が今までと変わってくるはずです。
・・・
▼SMC解説記事
ICT フェアバリューギャップ/Fair Value Gapの基礎
▼疑わしい高額商材に注意
▼最後に
もし本記事を「良いね!」と思っていただけたなら、SNS等で本記事や以下ポストをシェアしていただけると喜びますm(_ _)m
#FX
スマートマネーコンセプト初学者さん向け「Order Block/オーダーブロック」 の記事を更新🙂主な更新内容:
・効きやすいOBの典型例
・OB Mean Thresholdについて🔽ICT Order Blockの基礎https://t.co/H1nrRbIVb2
— Yuki📈|ICT SMC Trader (@YUK1_WORLD) June 8, 2024