ICT Optimal Trade Entry(OTE)を解説

ICTの「Optimal Trade Entry(OTE)」について書いていきます。
OTEとは...
- ICTの定めるフィボナッチ・リトレースメント「0.62-0.705-0.79」ゾーンのこと
- ICTのエントリー手法のこと
OTEはPremium/Discountの概念を大前提とするので、以下記事をすでに理解した前提で書いています。
ー もくじ ー
OTE=ICTのフィボナッチ・リトレースメントレベル(ゾーン)
フィボナッチ・リトレースメントのツールで以下黄色レベルを設定するだけ。
▼ここが、「OTE」と呼ばれるゾーンです。
ちなみに:
ICTは、これ以外の一般的なフィボナッチ・リトレースメントの数値(0.236, 0.382, 0.786等デフォルト設定されている数値)を使いません。
0.5より上か下か、つまりPremiumかDiscountかが重要であり「0.382がサポートになる」的な考え方をしないので、そのような一般的・教科書的な解釈は忘れた方が良いです。
Deep Premium, Deep Discountを視覚化
ICTは0.62、0.705、0.79のレベルを表示することで、
- Deep Premium/深いPremium
→ 超・高すぎ/売り得 - Deep Discount/深いDiscount
→ 超・安すぎ/買い得
この2つを視覚的に分かりやすくしました。
▼Deep Premium
より深くPremiumまで上昇し、アルゴリズム目線では"めっちゃ"売り得
▼Deep Discount
より深くDiscountまで下落し、アルゴリズム目線では"めっちゃ"お買い得
他の要素と重なると強力
OTEはPremium/Discountの概念が基礎となっているので、
- Liquidityを取る
- FVGを埋める
- OBに刺さる
...といったように他の要素と重なるとより強力なサポレジゾーンになります。
▼Deep Premium + Liquidity + FVGの例
Bias=Bearishなとき。
▲Deep Premiumは、一般トレーダーが「上にブレイクするぞ!」と期待して/焦ってついてくようにロングをするところだが、アルゴリズムには「超・売り得」なところ。
▼Deep Discount + Liquidity + FVGの例
Bias=Bullishなとき。
▲Deep Discountは、一般トレーダーが「下にブレイクするぞ!」と期待して/焦ってついてくようにショートをするところだが、アルゴリズムには「超・お買い得」なところ。
0.5のレベルを表示するだけでは、人間の目には「どれくらい売り得・買い得なのか」が分かりづらい。
0.62 - 0.79ゾーンがはっきりすることで、エントリー・利確の目安として使えそうなことがよく分かるかと。
OTE=具体的なエントリー手法
Optimal Trade Entryを翻訳すると「最適・最善のトレードエントリー」という名の通り、"OTE"と言ったとき「エントリー手法の1つ」を指す場合もあります。
ICTが考えた手法の中で、もっともシンプルな手法です。
- Bias=Bullishのとき:
→ OTEでロング @Killzone - Bias=Bearishのとき:
→ OTEでショート @Killzone
「Optimal=最適・最善」という単語が使われているのは、値動きに「時間」という要素を組み込んでいるからこその"最適・最善"という意味です。
▼OTEでロング @Killzone
London Killzone・NY Killzoneの例。
▼OTEでショート @Killzone
London Killzoneの例。
例は探せば無限に見つかるので、それぞれ1例にとどめます。
利確(上級者向けなので注意)
フィボナッチ・リトレースメントに「-0.5・-1・-1.5...」を設定すると、そのラインがOTEの利確目安のラインとすることができます。
上記画像では-1.5で止めていますが、0.5刻みで増やせます。
▼ロングの例
▼ショートの例
- -0.5・-1・-1.5まで伸びることを高確率で予想することはとても難しい
- 利確目安は左側(過去)のローソク足がどうなっているかによる(FVG・Liquidity等あるか)(←上記画像では省略した部分)
...ので、「よし、OTEはそこまでポジション握るのか、OK!」と意気込んでも「利確をあまりにも高望みしすぎ」で終わる可能性が高く、
ポジションをクローズできずに建値に戻ってきちゃった...
という後味の悪いトレードを繰り返す可能性が高いので"高望みしすぎ"に要注意。
▼ちなみに...
SMC初学者向けの動画「ICT Mentorship 2022 >>」では、
- Discountでロングをしたら、Premiumで(部分)利確する
- Premiumでショートをしたら、Discountで(部分)利確する
...ということ、つまり「欲張りすぎない利確」を教えているので、
▼初学者さんはまずこの練習をするのが良い(利確でOTEを使ってもOK)。
▼Bias=Bullishだと思っても、実際には"1"のLiquidityを取りに上昇しきらず反転してしまう...という経験は何度もすることになるはずなので...。
最後に念のための注意書き
ICTは、長い年月を経て別の動画を出すごとに概念の定義を更新していく
...という場合があります。
OTEもその例に漏れず、2017年あたりの古いOTE解説動画を見ると、OTEは以下のように解説されているのですが、
- 利確の目安レベルが-0.5・-1・-1.5...ではなく別の数値になっている
(知る必要はないので書いてない) - OTEによるエントリーは各Killzoneではなく、より厳密な時間帯を指定している
- OTEを引く時、ヒゲ先ではなく実体で引いている
2017年より新しい動画やICT Mentorship 2022を見ると、
本記事で書いている通り「-0.5・-1・-1.5...」で設定しており、
エントリー時間の厳密な指定が緩くなっており、
OTEを引くとき(ほぼ)ヒゲ先で引いている
...と見受けられたので、本記事では旧OTEの定義は無視して書いています。
本記事の読者さんが古い動画から見て、
こいつ、ICTのOTE解説動画と違うこと書いてんじゃん...ウソ吐きか?
と思われるのも不本意なので、念のため「古い動画・新しめの動画、両方見て把握したうえで記事を書いてるよ」ということを記しておきます。