Swing Failure Pattern(SFP):ビットコインチャートパターン

- FX/暗号資産 -
2022.02.07
仮想通貨テクニカル分析

ビットコイン(をはじめとした暗号資産)トレードで使える重要な戦略のひとつ、Swing Failure Pattern/スウィング・フェイリュアー・パターン(SFP)について。

  1. SFPとはどんなチャートパターンか
  2. SFPでトレードする方法・手順
  3. なぜSFPがパターンとして定着するくらいよく起きるか

この3点について書いていきます。

SFPはローリスク・ハイリターンでかつ頻出パターンなので、知っておくアドバンテージはとても大きいです。

ビットコインで頻出のSwing Failure Pattern(SFP)とは

Swing Failure Patternとは、

  • 高値更新・安値更新(Swing)に失敗(Failure)して、
  • それまでの方向とは逆の方向へ、(大きく)価格が反転する

という特徴をもったチャートパターンのこと。

SFPによるトレードメリット3つ

  1. エントリー後の損切りポイントが明確
  2. たとえ負けても損失は最小で済む、低リスクなエントリーが可能
  3. 利益は大きい
    →ローリスク・ハイリターン

まずは、実際のチャートをみてみましょう。

SFPのチャート事例

以下4時間足のチャートで、緑色のラインが「SFPの基準となる高値」を示したライン。約3週間半の時を経て、高値を更新しに上がってきた場面です。

期間:2021/12/4〜12/29

ところが、基準とした高値をヒゲ先で更新した直後、それまでにない勢いで反転下落していることがわかります(weeklyの強いレジスタンスが重なっていることもポイント)。

高値を更新する前から「ここでSFP起きるかな」と待ち構えておいて、先端付近でショートできれば大きな利益を獲れることが想像できると思います。

SFPは頻出パターン

SFPは、毎日出現するといっても過言ではないほど頻繁にあらわれるパターン。

意識してチャートを見てみると、あちこちでSFPが起きていることが分かるはず。

さきほどと同じ期間、同じ4時間足レベルのチャートですが、パッと見てわかるものでもこれだけあらわれています。

swing failure pattern/sfp

どれも、"SFPがキッカケ"になって大きく価格が逆方向へ振れていることが分かりますね。

短期足では効果が小さい

4時間足に限らず、日足、1時間足、15分足、1分足、どの時間足でもあらわれます。

がしかし、短期足ほど反転効果は小さくなります。

swing failure pattern/sfp

しかも、1分・5分・15分足レベルの高値だと、あまりに頻出すぎて高値を更新し損ねることだらけ。

なので、1分〜15分足レベルでできあがる山/谷をSFPの基準ラインとして意識する必要はないと考えています。(スキャルピングには短期足でも有効ですが)

SFPが効果的な(=大きな利益を狙えるくらい価格が反転する)のは「主要な高値」であることが重要なので、僕は「1時間〜4時間〜日足で認識できる山/谷」を意識しています。

SFPでトレードをする手順

以下、トレード方法です。価格が上がっているなかSFPでショートを狙う例で書きます。高値を安値に読み替えれば、ロングを狙うSFPになります。

  1. 前回の主要な高値にラインを引いておく
  2. 高値を更新した後、前回高値ヒゲ先よりひっこんだ価格でローソク足がクローズしたことを確認
  3. ヒゲ先を損切り価格に設定してエントリー

exochartsなどのオーダーフローチャートを見ながらSFP時にヒゲ先にロングボリュームが溜まっていることなど、より成功率を高めるための確認ポイントはあるのですが、最初はこの3ステップでエントリーしてみるのが良いでしょう。

1. 前回の主要な高値にラインを引いておく

swing failure pattern/sfp

ショート狙いのSFPは、メジャーな高値を認識しておくことが重要です。忘れるのでかならずラインを引いておきます。

2. 高値を更新した後、前回高値ヒゲ先よりひっこんだ価格でローソク足がクローズしたことを確認

前回高値を更新した後、前回高値のヒゲ先よりもひっこんでクローズを確認することが重要です。

以下のようにヒゲ先よりも高い位置でローソク足がクローズした場合はSFPとは考えません(見づらいですが、◯部分はヒゲになっていません)。

swing failure pattern/sfp

5分足:SFPではないパターン

ただ、上記は5分足ですが、1時間足で同じ部分を見るとSFPになっています。

swing failure pattern/sfp

1時間足で見るとひっこんでクローズしている

このように「5分足ではSFPではないが15分足・30分足・1時間足で見ればSFP」という場合も多発します。

どの足で見てSFP成立と判断してエントリーするか?は一番難しい問題なのですが、僕は

  • 1〜4時間〜日足レベルのメジャーな高値/安値を認識しておく
  • 5分足で高値更新→ひっこんでクローズしたらエントリー

というパターンを基本としています。

なぜ5分かというと、SFPは判断のスピード感が重要な側面があるからですね。

たいていの場合、大きな価格反転が起きるSFPは安値/高値を一瞬で更新して一瞬でひっこんでその直後から大きめに反転する(価格が戻ってこない)ことが多い。

何度か試してみて、

5分で確定したのに30分・1時間も待っていると価格は大きく動いてしまう...

1分、3分足だとまだ自信が持てない...

だから5分。という考えにいたりました。

もちろん1分でエントリーする人もいるし、3分でエントリーする人もいます。

何度も試すうちに自分の考えが固まってくるはずです。

3. ヒゲ先を損切り価格に設定してエントリー

SFPは「価格が反転し、ヒゲ先を今すぐ更新しにくることはない」という前提のセオリーなので、「これはSFPだ」という判断が間違っていたことが確定するヒゲ先に損切設定します。

そうすることで損失が最小限になるので、たとえ負けても損失は少額で済むメリットがあります。

なので、SFPは初心者でも練習がしやすいですね。負けても痛みは少ないし、勝ったときは大きな利益になるので。

一度失敗しても再エントリーの余地あり

以下の◯部分のローソク足を見ると、2本飛び出て2本とも前回高値より下でクローズしているのが見えますね。

これは1本目のローソク足でSFPと判断してエントリーする人がたくさんいるはずです。この状況だったら僕もエントリーしていると思います。

swing failure pattern/sfp

5分足:2本のヒゲが飛び出ている

がしかし、次のローソク足でさらにそのすこしhighを取りにくる、つまりSFPエントリーした人を全員損切りさせてからその逆を行くパターンもよくあります。

なので、

  1. 損切りされた後、2本目も前回高値からひっこんでクローズを確認したら再エントリーする(もしくはもうトレードはしない)
  2. 1度目のエントリーでそれを見越してすこし余裕を持って損切り設定する

というどちらかの対応をする必要があります。

そう簡単には利益を出させてくれないのがビットコイントレード...。

【プラスα】SFPは文脈が重要

以下のような文脈が存在する状況であれば、よりSFPが起きる可能性が高まります。

  • 上昇トレンドのなか、直近のメジャーな安値を切り下げにいこうとしている
    → SFPロングを狙う
  • 下降トレンドのなか、直近のメジャーな高値を切り上げにいこうとしている
    → SFPショートを狙う
  • ロングを狙うSFPの場合、価格の下落から守るサポートラインが重なること
  • ショートを狙うSFPの場合、価格の上昇を阻むレジスタンスラインが重なること

既出の以下の例では具体的にどんな状況だったかというと・・・

swing failure pattern/sfp

  1. 明らかな下降トレンドのなか、
  2. weeklyレベルの強いレジスタンスが重なっているところで、
  3. 4時間〜日足レベルで確認できるメジャーな前回高値を超えにきた

という状況だったので、そのまま上にブレイクする可能性よりもSFPで反転下落する可能性のほうが高いと考えられました。

SFPを狙う場合は、このように「どういう環境で高値安値を更新しにいこうとしているか」を分析しておくことが大事です。

SFPがなぜ起きるのか

最後に、SFPがなぜ起きるのか。

つまり、「なぜ高値/安値を更新しようとするとき、更新できず大きく反転することがパターンとして定着するくらいよく起きるのか」について説明してみます。

1. 高値を更新する価格帯は、新規ロングがガンガン入ってくる

安値更新でもいいのですが、高値更新のパターンで書いていきます。

以下、高値を更新しそこねる直前の時間に戻ったとしましょう。

「とうとうレンジをブレイクして価格が上昇するか!?」というときです。

swing failure pattern/sfp

価格が上にブレイクしそうなとき、大衆心理は「買え買え買え!」、新規のロング注文が大量に入ってくるところになりますね。

(初心者ほど「ブレイクするだろう」と期待して前回高値付近でロングをしてしまう)

2. 高値を更新する価格帯は、ショート損切り(=買い)が大量においてある

また、前回高値の頂点付近でショートをした人は、その少し上に損切りを置いています。

つまり、高値を更新したときに大量のショートポジションクローズ(=買い注文)が発生します。

3. 高値/安値を更新する価格帯は、大口トレーダーが求める"流動性"がある

...とそのように、前回高値を更新しにいくときは新規買い・ショートポジション解消の買いがたくさん集まるので、"クジラ"と呼ばれる大口トレーダーはそこを狙います。

クジラが大量のショート注文を約定させたい時、同じだけの大量の買い注文が必要です。

たとえば100BTCの売り注文には、100BTCの買い注文がないと全て約定しません。

ブレイクを狙った(高値を更新しにいくときの)ロングはクジラの指値売り注文に全て吸収され価格は上がらず、そこで成り行き注文ショートが新規で入ってくればあっさり価格は下がっていく、というわけです。

悲しい表現をすると「大口トレーダーのカモにされる」ということにもなります(^^;

・・・

なので、

  • 上にブレイクしそうな時にロングをする
  • 下にブレイクしそうな時にショートをする

のは絶対にやってはいけないことと言われている理由のひとつが、このSFPのためです。

暗号資産トレードは「クジラについていくのが基本」なので、この「SFP」トレードを練習しまくりましょう。

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