New York Open直後のフェイク例:ビットコインチャート
ビットコイン(をはじめとした暗号資産)は、ニューヨークのマーケットが開く時間(ニューヨークオープン)以降になるとボリュームが急激に増します。
※ 以降、ニューヨークオープンは「NY Open」と表記
NY Openの時間
- 3月第2日曜〜11月第1日曜 / サマータイム
日本時間22:30がNY Open - それ以外の期間 / ウィンタータイム
日本時間23:30がNY Open
そして、ボリュームが増すにつれて「こう動くと見せかけたあとに逆に動くフェイク」も多くなる。
2022年5月6日(金)の22:30直後から「下がると見せかけて上がる典型的なフェイク」に遭遇したので記録しておきます。
フェイクを読みきったエントリーができたときの、
ふふ、そんなの俺は騙されないんだよ
っていうあの満足感を味わう回数を増やしていきたい。
ー もくじ ー
New York Open直後のビットコインフェイク 2022年5月6日例
まずは、フェイクが起きる前日の2022年5月5日〜当日6日NY Open直前までのチャート文脈の整理から。
文脈:下降トレンド・前日はチャネルを下にブレイクする暴落
3月29日以降、マーケットストラクチャーは長期足で見てlower low→lower high→lower low。
明確な下降トレンドのなか、おなじく長期足で有効だったスローピングチャネルを下抜けたところでした。
15分足でみると急落がわかりやすい。
これだけ急落して長期足チャネルもブレイクしたので「これは翌日以降もさらに落ちそうだな」というバイアスがかかりやすい状況。
また、NY Open直前の22:15ころは、前日の暴落をせきとめたサポートライン(Daily Naked POC)を何度もつついていて、いかにも「落ちるぞ落ちるぞ」という雰囲気がただよっていました。
さらに、5分足レベルですら、マーケットストラクチャーのトレンド転換サイン(higher high → higher high)が一切ありません。これはどう見ても弱い。
NY Open直前の状況まとめ:
- 下降トレンド + 長期足チャネルを下にブレイクして4,000ドルの暴落
- 暴落を止めたサポートラインをNY Open直前に何度も下抜けトライ
- 暴落以降、マーケットストラクチャーがhigher highをつけない
= NY Open直後にショートボリュームが入ってきてまた下にブレイクするのでは...という雰囲気だった
結果:また一段下げると見せかけた直後に上げるフェイク
22:30になった瞬間から「それまでの雰囲気通りに」サポートを割りに向かい、10分後には完全に下に突き抜けます。
オーダーフローをみると、サポートを割った時のボリュームがビックリするほど巨大で、5分間で100Mオーバー。ネガティブデルタが41Mで完全にショートが主導権を握っている。
がしかし、20:40から一気に反転を始め、22:55には完全にサポートを復帰。
「ブレイクを狙ってショートをした大量の人たちが、ものの15分後には全員含み損を抱えた状況」になりました。
あとは、以下のとおり直後からロングが入ってきて大量のショート損切りが燃料となり、ロング + ショートカバーで価格は一転して上昇、というシナリオです。
トレード方法:
- まず、NY Open直後にサポートをブレイクすること
- 特大ボリュームのショートが入ってきたのを観察
- 反転してサポート復帰を観察(=この時点で上昇燃料満タン)
- ロングエントリー
①について、感覚的には「NY Open直後」であることが「フェイクかも?」と疑い始めるフラグになった気がしています。
リアルタイムでは②の「いつ復帰したと判断するか」が難しかった。
正直なことを書くと、サポートラインの上でキャンドルクローズを確認する前にロングに入ったので、「復帰してショーター全員溺れてくれ」って願望が混じりながらのエントリーでした。
#Bitcoin
NY Open直後に大量のショーターが溺れたの見てロングしたけど、直下のmonthlyに触れてないのが気になる😖 pic.twitter.com/0nCVJdfecV— Yuki📈|クリプトトレーダー|引きこもりブロガー (@YUK1_WORLD) May 6, 2022
NY Openは、とにかくフェイクが多い
NY Openの他にも、
- 9時スタートのアジアオープン
- 16時スタート(ウィンタータイムは17時)のロンドンオープン
がありますが、NY Openがアジアともロンドンとも大きく異なる特徴は、"NY Openになった瞬間から"特大ボリュームが入ってくることが多いこと。
22:29から秒針がピッタリ12を迎え、22:30になった瞬間から、それまで平和だったチャートが一気に暴れ始めることがとても多いんですね。
暴れ始める、すなわち
トレード初心者に必ず損をさせるようひたすら騙そうとしてくる
ということと同義。
NY Open直後からは、「未熟なトレーダーをプロが明確な意志を持って狩りに来ている感覚」をひしひしと受けます。
この例では、22:30になった後から1時間おきに約1,000ドルもの値幅が動いています。
たとえば、①でロングを狩られた人は②の急伸を見て天井ロング→急落で狩られてドテンショートするも④でまた狩られる、といった往復ビンタを受けたトレーダー見習いさんが世界中で1,000人はいたことでしょう。
このようなチャートでは、「95%のトレーダーは退場する」と言われるのも納得。
ぼくも毎日のように「持ってるポジション、NY Openで狩りに来るんじゃ...」と感情を振り回されています。
・・・
「NY Openを制する者はトレードを制す」と言っても過言ではないと考えているので、今後もフェイク事例を集めていきたい。