New York Open直後のフェイク例:ビットコインチャート

- FX/暗号資産 -
2022.05.07
仮想通貨テクニカル分析

ビットコイン(をはじめとした暗号資産)は、ニューヨークのマーケットが開く時間(ニューヨークオープン)以降になるとボリュームが急激に増します。

※ 以降、ニューヨークオープンは「NY Open」と表記

NY Openの時間

  • 3月第2日曜〜11月第1日曜 / サマータイム
    日本時間22:30がNY Open
  • それ以外の期間 / ウィンタータイム
    日本時間23:30がNY Open

そして、ボリュームが増すにつれて「こう動くと見せかけたあとに逆に動くフェイク」も多くなる。

2022年5月6日(金)の22:30直後から「下がると見せかけて上がる典型的なフェイク」に遭遇したので記録しておきます。

フェイクを読みきったエントリーができたときの、

ふふ、そんなの俺は騙されないんだよ

っていうあの満足感を味わう回数を増やしていきたい。

New York Open直後のビットコインフェイク 2022年5月6日例

まずは、フェイクが起きる前日の2022年5月5日〜当日6日NY Open直前までのチャート文脈の整理から。

文脈:下降トレンド・前日はチャネルを下にブレイクする暴落

3月29日以降、マーケットストラクチャーは長期足で見てlower low→lower high→lower low。

明確な下降トレンドのなか、おなじく長期足で有効だったスローピングチャネルを下抜けたところでした。

New York open

前日に、約90日間形成されたチャネルを下にブレイク

15分足でみると急落がわかりやすい。

New York open

これだけ急落して長期足チャネルもブレイクしたので「これは翌日以降もさらに落ちそうだな」というバイアスがかかりやすい状況

また、NY Open直前の22:15ころは、前日の暴落をせきとめたサポートライン(Daily Naked POC)を何度もつついていて、いかにも「落ちるぞ落ちるぞ」という雰囲気がただよっていました。

New York open

下にブレイクする雰囲気がただよいまくるチャート

さらに、5分足レベルですら、マーケットストラクチャーのトレンド転換サイン(higher high → higher high)が一切ありません。これはどう見ても弱い。

New York open

ひたすら高値を切り下げ

NY Open直前の状況まとめ:

  • 下降トレンド + 長期足チャネルを下にブレイクして4,000ドルの暴落
  • 暴落を止めたサポートラインをNY Open直前に何度も下抜けトライ
  • 暴落以降、マーケットストラクチャーがhigher highをつけない

= NY Open直後にショートボリュームが入ってきてまた下にブレイクするのでは...という雰囲気だった

結果:また一段下げると見せかけた直後に上げるフェイク

22:30になった瞬間から「それまでの雰囲気通りに」サポートを割りに向かい、10分後には完全に下に突き抜けます。

New York open

オーダーフローをみると、サポートを割った時のボリュームがビックリするほど巨大で、5分間で100Mオーバー。ネガティブデルタが41Mで完全にショートが主導権を握っている。

New York open

サポート割った瞬間のオーダーフロー(取引所はBybit)

がしかし、20:40から一気に反転を始め、22:55には完全にサポートを復帰。

New York open

「ブレイクを狙ってショートをした大量の人たちが、ものの15分後には全員含み損を抱えた状況」になりました。

あとは、以下のとおり直後からロングが入ってきて大量のショート損切りが燃料となり、ロング + ショートカバーで価格は一転して上昇、というシナリオです。

New York open

見習いショーターたちを罠に嵌めるフェイクだった

トレード方法:

  1. まず、NY Open直後にサポートをブレイクすること
  2. 特大ボリュームのショートが入ってきたのを観察
  3. 反転してサポート復帰を観察(=この時点で上昇燃料満タン)
  4. ロングエントリー

①について、感覚的には「NY Open直後」であることが「フェイクかも?」と疑い始めるフラグになった気がしています。

リアルタイムでは②の「いつ復帰したと判断するか」が難しかった。

正直なことを書くと、サポートラインの上でキャンドルクローズを確認する前にロングに入ったので、「復帰してショーター全員溺れてくれ」って願望が混じりながらのエントリーでした。

NY Openは、とにかくフェイクが多い

NY Openの他にも、

  • 9時スタートのアジアオープン
  • 16時スタート(ウィンタータイムは17時)のロンドンオープン

がありますが、NY Openがアジアともロンドンとも大きく異なる特徴は、"NY Openになった瞬間から"特大ボリュームが入ってくることが多いこと。

22:29から秒針がピッタリ12を迎え、22:30になった瞬間から、それまで平和だったチャートが一気に暴れ始めることがとても多いんですね。

New York open

平和なアジアロンドンと比較すると一目瞭然

暴れ始める、すなわち

トレード初心者に必ず損をさせるようひたすら騙そうとしてくる

ということと同義。

NY Open直後からは、「未熟なトレーダーをプロが明確な意志を持って狩りに来ている感覚」をひしひしと受けます。

New York open

2022/4/28のビットコインチャート例

この例では、22:30になった後から1時間おきに約1,000ドルもの値幅が動いています。

たとえば、①でロングを狩られた人は②の急伸を見て天井ロング→急落で狩られてドテンショートするも④でまた狩られる、といった往復ビンタを受けたトレーダー見習いさんが世界中で1,000人はいたことでしょう。

このようなチャートでは、「95%のトレーダーは退場する」と言われるのも納得。

ぼくも毎日のように「持ってるポジション、NY Openで狩りに来るんじゃ...」と感情を振り回されています。

・・・

「NY Openを制する者はトレードを制す」と言っても過言ではないと考えているので、今後もフェイク事例を集めていきたい。

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