下降ウェッジ成否とボリュームの関係性:ビットコインチャート事例
下降ウェッジといえば、
- 下向きにとがった三角形を形成し、最終的に上にブレイクしやすい
- 形成が進むにつれ、ベア(売り)ボリュームが減少していく
- ブレイク時のボリュームが大きい
という一般的特徴を持ったチャートパターン。
ぼくは、下降ウェッジはつい形だけ見て「あ、これは上にブレイクしそうなやつだ」と考えてしまいがち。
本当に上にブレイク成功するには「下降ウェッジ形成中 + ブレイク時のボリュームをよく観察することが重要だよね」ということを確認するために、実際のチャート事例をあつめて後追い分析します。
下降ウェッジ ブレイク失敗事例:2022年4月18日 - 5月4日
4時間足、引きでみるとこの部分。
▼4時間足で下降ウェッジ部分をズームするとこの部分。
▲この下降ウェッジは一時的に上にブレイクしたものの、dailyレジスタンスに阻まれたあと下に突き抜けるフェイク。
結果的に、このフェイクアウトがきっかけとなって、のちの1週間で$15,000もの大暴落。このショートを取れていれば...という後悔が大きかった。
▼上にブレイク成功する下降ウェッジは、トレンドラインへのリテストがあった場合にトレンドラインがサポートになり反発する、というのが一般的ですが、まったくサポートにならず直下降でした。
この例でブレイクした時には「このブレイクはフェイクに終わる可能性のほうが高いのでは?」と推察する根拠が、ボリュームでした。
- 形成中のベアボリュームが減っていない
- ブレイク時のブルボリュームが弱い
1. 形成中のベアボリュームが減っていない
冒頭で書いた通り、下降ウェッジは先端に向かうにつれて売り圧力が弱まっていくことが要件のひとつとして考えられます。
▼実際どうだったかというと、下降ウェッジ形成開始時よりも、形成が進んだ段階の方がベアボリューム(画面下の赤いバー)が多いことが明らかです。
価格が下がってもマーケットの売り興味は尽きていないという状況が推測されます。
2. ブレイク時のブルボリュームが弱い
ブレイク時のブルボリューム(画面下の緑バー)は、下降ウェッジ形成中のボリュームと比較しても明らかに少ないことがわかります。
・・・
つまり、
- このままレジスタンスをブチやぶって上に伸びる可能性
- レジスタンスにリジェクトされ、反転下落する可能性
どちらが高いか?という問いは、ボリュームの観点からは「レジスタンスに負ける可能性の方が高い」と言っていい状況。
ぼくは当時「ブレイクしたから、もしリトレースしたらロングかなぁ」という単純な頭になっていたので、このように下降ウェッジの基本的な分析ができていればショートが取りやすかったのかな、と考えています。
後付けで理屈をこねるのは簡単なんですが、刻々と変化するチャートをリアルタイムで分析し続けるのは難しいですね。