TOEIC950の"英語力"はどれくらいスゴい?実際はこうです
TOEIC950を持っている人の「英語力」って実際どれくらいなの?
と考えているかたへ向けて、
たぶん、あなたが想像するほどスゴくはないです
という現実的な話をひとつ。
「ぼくの場合は950持っててこれはできない、これはできる」
というのを書いていきます。
結論だけ先にかんたんに書くと、こうです↓
▼スピーキング
- 日常会話OK・ビジネス会話は自信ない
→ ペラペラにはならないよ
▼リスニング
- 海外映画は英語字幕なしじゃ見れない
→ 完璧に聴き取れるようにはならないよ
▼リーディング
- だいたい何でも読める
▼ライティング
- 伝えたいことを問題なく表現できる
- チャット・メールなら余裕
本記事で「TOEIC」とは「TOEIC Listening & Reading Test」、つまり日本で一般的に普及しているリスニング/リーディングの試験を意図しています。
スピーキングがある「TOEIC Speaking & Writing Tests」のことではありません。
ー もくじ ー
TOEIC950なら、ペラペラに喋れるのか?
日常会話なら喋れる
英語圏にぽーんと放り出されてもなんとか生きていける自信はあります。
TOEIC950くらい持っていると、
- 文法・熟語・発音は身についている
- でも喋る時は文法/発音なんてめちゃくちゃでもなんとかなると知っている
という状態にはなっているので、英語圏への海外旅行くらいなら問題なく英語でやれます。
ただ「ペラペラ」からは程遠く、無意識で口から英文が飛び出すことはありません。
会話を組み立てるには脳みそをフル回転させる必要があり、めちゃくちゃ疲れます。
ビジネスで使えるかというとちょっと自信ない。やれと言われればやる
ビジネスシーンで喋れと言われると途端に自信がなくなります(^^;
周りに英語を喋れる人がいなくて「頼む、やってくれ」と頼まれれば仕方なく喋るけどマジでやりたくない、という感じ。
つまり、日常会話ではテキトーでも許される重要かつ些細なニュアンスの違いを表現しきれる自信がないということになります。
ぶっちゃけ喋りは性格次第。コミュ強ならペラペラになるのかも...?
というか、そもそもぼくは「可能ならば家族以外の人間と顔を合わせたくないし会話もしたくない」というレベルのコミュ弱。
もしかしたら、コミュ強を自負するかたならTOEIC950取るころにはそれが自信になって
いや950持ってれば普通にペラペラでしょ...何言ってんの
というかたも出てくる可能性もあるのかなぁ、と思ったり。
TOEIC950なら、聴き取れるのか?
洋画は英語字幕なしじゃ無理
TOEIC950を取れても、海外の映画を生では見れません...。
英語字幕があってやっと見れます。
ガチネイティブが使うスラングだったり、
え?ほんとに英語喋ってる?
全然わかんねー...
っていう早すぎる発音だったりで、まずついていけなくなりますね。
映画ではなく、有名な海外のsitcom(お笑いドラマ)「Friends/フレンズ ≫」を知っているでしょうか?
ぼくはこれが面白くて大好きでリスニング力を鍛えるためにDVDを買ってよく見ていたのですが、これを字幕なしで"ギリギリ"笑えるくらいです。
Friendsは楽しみながらリスニング力を鍛えられるので、中学で習うような日常英単語と文法さえ分かるのであればとてもおすすめ。
日本でも2000年ころにTVで吹き替え版で放送されていて、「フルハウス ≫」に続いてけっこう有名だったはず。
興味のある事柄なら、字幕なしでも問題なし
「じゃあ現実でリスニングが使い物にならないか」というとそうでもありません。
ぼくはYouTubeで海外の人が発信しているプログラミング関連の動画・ビットコインやFXトレードの動画をよく見ます。
前提知識があり興味があるトピックについてであれば、通常スピードで問題なく理解できます。
日本語で調べても分からない情報が、英語なら簡単に見つかる。
そんなことはたくさんあるので、リスニングスキルはとても役に立っています。
TOEIC950なら、読めるのか?
読める。日本語とそう変わらない感覚
そもそもTOEICは少ない時間の中で大量の英語長文を読めないと950は絶対無理なので、
TOEIC900以上を持ってて英文が読めない、ということは絶対にないと言いきれます。
900あれば英語でググれるし、英語の書籍も読めます。
ChatGPTも英語のまま使えて便利!
ちなみに:頭の中で英語を日本語に翻訳することはない
英語が読めるというのがどんな感覚なのかというと、英語は英語のまま理解している状態です。
「英語は英語のまま理解している」とは「英語の語順のまま」で理解しているということ。
たとえば以下の英文があったとして、
- I went to the library to study with my friends yesterday.
普通はこのように↓語順を変えながら(お尻から頭に戻るように)翻訳して理解すると思います。
- 私は、昨日友達と一緒に勉強をしに図書館へ行きました。
いっぽう、英語が読める人の頭の中では、このように↓英語の語順のまま頭の中を流れていくイメージです。
- I・went・to the library・to study・with my friends・yesterday.
私・行った・図書館・勉強・友達と・昨日
これでも意味はわかりますよね。
さらにこれ↑を日本語に翻訳することなく理解しています。
頭の中では、libraryは図書館ではなくlibraryなのです。
なので「英文を日本語に翻訳して」と言われるとすぐにはできなかったりします。
TOEIC950なら、書けるのか?
書ける。チャット・メールなら伝えたいことを伝えられる
外国人と英語でチャットして・メールして、と言われたら抵抗なくできます。
というのも、書く場合は対面/電話越しの喋りと違って考える時間があるからですね。
なので、TOEIC950を取る文法理解・単語力があれば、伝えたいことをほぼ正確に伝えられるようになっているかと。
仕事上で外国人とメール・チャットをすることになっても、何のプレッシャーもなくいけます。
ぼくはどのようにTOEIC950を取ったか
中学高校のころ、受験英語が一番の得意科目だった。ただそれだけでした。
古文も数学も物理も世界史もワケ分からんのに、英語だけ簡単すぎない?
と思っていたくらいには得意でした。
受験英語が超得意だった人がTOEICを受けたら950取れたというだけで、正直、950を取るのに何の苦労もしていません。
ぼく以外に高校の時に英語がド楽勝だった人でTOEICを受けたことがある人がいたら、これは全員が同意してくれると思います。
そういう意味では、TOEICは、
- 基礎的な英単語を知っている
- 基礎的な文法を知っている
- 基礎的な発音を知っている
- 基礎的な熟語を知っている
この4点さえ身につけるように基本の学習を積んでいけば、おどろくほど簡単にスコアアップできます。
難しく考える必要は全くありません。
で、これらは学校の英語を勉強していると自然と身につく力なんですね。
TOEICはセンター試験の英語をやっているような感覚です。
なので、ぼくは学生時代に受験英語だけは面白がってよく勉強していたので運が良かったなぁと考えています。
もしこれからイチから勉強を始める場合、「中学1年の単語帳の暗記」から始めると良いです。
英語は単語が分からないと何もわかりません。
コミュニケーション目的なら、TOEICの勉強はおすすめしない
- ビジネスシーンで外国人相手と会話できることを目指す
- 海外旅行で英語でコミュニケーションをとれることを目指す
こういったゴールを設定しているかたへ。
「TOEIC リスニング & リーディング」の試験対策を始めることはおすすめしません。
TOEIC リスニング & リーディングで喋りの力は向上しない
すでに書いてきたとおり、ぼくはTOEIC950を持っていても
- 喋り=自信が持てない
という状態。
これはある意味当たり前です。
TOEICを勉強するということは、
- 単語&熟語帳とにらめっこ
- 長文読解問題とにらめっこ
- リスニング=ひたすら聴く聴く聴く
ということを意味するので、単語力・熟語力が増える結果として喋りの表現幅が広がることはあれ、対面での会話力はほぼ上がりません。
喋る練習(=対面コミュニケーションを意識)なんて全くしなくてもTOEIC950を取れてしまうのです。
もっと言うと、
TOEICの学習をすると、喋るモチベーション・英語でコミュニケーションを取ろうというモチベーションは全く湧いてきません。
喋れるようになる努力は、TOEICスコア向上に直結しないからです。
喋れるようになりたいなら英会話
1日でも早く外国人と生きたコミュニケーションをとれるようになりたいそこのあなた。
TOEICの学習ではなく、
- オンライン英会話
のような喋りを練習するサービスを利用して即・喋り始めたほうがいいです。
文法?
単語?
そんなのなんとかなります。減点されるのはペーパーテストだけなので。
「資格」としては最高に美味しい
日本の一般的な企業であれば、TOEIC950を持っていればそれだけで就職/転職に超・超・超・有利。
ビズリーチ ≫ のような高年収スカウト転職サービスとの相性がとても良く、かったるい転職活動も待ってるだけで英語力を見込んだオファーが数多く来るようになります。
TOEIC900以上=英語スキル完璧=この人は立派、みたいに(なぜか)勘違いしてくれてることが多いので、それだけで印象が良くなる「錯覚資産」的な効果がとても高い感覚ですね。
おそらく、高得点を取るほどの努力をできる人だ、みたいな評価もあるのでしょう。
「日本のあらゆる資格の中で、一番美味しい資格がTOEIC」とすら言える
のではないかと考えています。
なので、英語を喋れるようになる必要はないけど、転職の面接で一発エッジを効かせたい場合はTOEICはおすすめです。
たとえば「英語を使う仕事がしたい!」という夢がある人が実際に英語を使う職種・業種・部署に行きたい場合。
TOEIC800以上あれば説得力がものすごいので、夢が叶う確実なキッカケになるでしょう。
まとめ:TOEIC950=完璧ペラペラ星人ではありません
TOEIC950を持っていると確実にできることは、読み書き。
できないのは、ペラペラに喋ること・ペラペラを完璧に聴き取ること。
これが現実でした。