テクニカル分析:POC/VAH/VALがサポレジになる実例
TradingViewの「固定期間出来高プロファイル」ツールを使って確認できるPoint Of Control(POC)・Value Area High・Value Area Lowが、サポートライン・レジスタンスラインとして機能することが多く、「このエリアを認識しておけば勝てたトレードになっていたかも」と後悔することがよくあります。
なので、「どういう時にサポレジとして機能するのか」「どこからどこの範囲でPOCを見るべきなのか」の判断に慣れるために実例を集めていきます。
ー もくじ ー
Point Of Control(POC), VAH, VALとは
まずは、POC、VAH、VALの概念のおさらいです。
「固定期間出来高プロファイル」ツールで引くと確認できる以下部分。
これらのラインがそれぞれサポートになったりレジスタンスになったりする、ということです。
2021年10月25日 〜 29日のビットコインチャート
以下、1時間足のチャート。
上記矢印部分で強烈に上がった後、長い髭をつけて急激に下がっている。つまり、「上昇をはばむ何かしらのレジスタンス」があったことになる。
しかし、その上の日足レベルのレジスタンスにヒットしていないので、日足レジスタンスにリジェクトされたわけではない。
では何にリジェクトされたのか?
それが、POC。
現在よりも1段高い位置にあった前の山で形成していたレンジ範囲で「固定期間出来高プロファイル」を引くと、赤い線でPOCが表示されている。
この赤い線を中心としたゾーンがレジスタンスとして機能した結果、リジェクトされて下がった、と推測ができる状況。
POCにはほんのわずかタッチしていないけど、POCはあくまでも「最も取引量の多かった価格帯」なので、その線をピンポイントで捉えるのではなく、その上下に数十ドル(見る時間足によっては数百ドル)の幅をもたせた「レジスタンス"ゾーン"」として捉えるとよい。
Naked POC(nPOC) は特にサポレジとして機能しやすい
Naked POC(ネイキッド ポック)とは、
「まだ一度もタッチされていないPOC」
のこと。以下枠部分で形成したPOCは、矢印部分でローソク足がタッチしにくるまで一度もタッチされていないことがわかる。
このようなPOCのことを、裸のPOC=Naked POC/nPOCという。
1度目のタッチで強い反応を示すのが大きな特徴。
nPOCがレジスタンスとして存在するならタッチ後に強烈なリジェクトをする可能性が高く、サポートとして存在するならタッチ後に強烈な反発上昇をする可能性が高い、ということ。
1度でも触れたあとにふたたびそのPOCへ価格が戻ると、1度目ほどの強い反応が期待できない。
1時間足レベルのPOCよりも4時間足レベルのPOC、4時間足POCよりも日足POC、日足POCよりも週足POC、と上位足POCになるほどタッチ時の反応は強くなることが推測できる。
VAHがレジスタンスとして機能する例
例1
2021/10/9にAll Time Highを更新したビットコイン。
ひたすら高値安値を切り上げ続けていて、「いつ上がり止まって高値安値を切り下げ始めるか」と注目していたところ。
以下、頂点をつけたあと少しリトレース。再度上を目指すか、という場面(○で印をつけた部分)。
▲フィボナッチ・リトレースメント0.618-0.66のラインにVAHが重なっていて、強力なレジスタンスゾーンとして機能し、弾かれたことが分かる。
▼その後、再度上を目指すも再びフィボナッチ・リトレースメント0.618-0.66のラインにVAHが重なるレジスタンスに弾かれ急激に下落。
▼今度はフィボナッチ・リトレースメント0.618-0.66をサポートにして上がってきたあと、フィボナッチ・リトレースメント0.618-0.66にPOCが重なるゾーンがレジスタンスとなり再度下落。
VAHがレジスタンスになるのか、POCがレジスタンスになるのか、それは状況によりけり。
VAHやPOCが単体でレジスタンス/サポートになるとは決して考えてはダメで、あくまでも「他のレジスタンス/サポートラインと重なることがあれば機能するだろう」と推論する材料になる。
例2
2021/12/16のビットコインチャート、1時間足。
WeeklyとVAHがぴったり重なっていて、レジスタンスを形成していることがわかります。