【ハナヤマタ~12話感想】最高に美しいガールミーツガールに感動した
アニメ・ハナヤマタを、2014年放送から8年遅れで視聴完了しました。
ハナヤマタ 最終話まで見た。
頭空っぽにして見れるほのぼの日常系かと思って油断してたら、人情ドラマで感情揺さぶって泣かしてくる系だった...🥲
最終回の締まりもキレイで面白かったので満足https://t.co/hdGoJMVS8f— Yuki📈|Crypto Trader (@YUK1_WORLD) October 11, 2022
ザ・王道のガールミーツガール!
行動しろ。
変化を恐れるな。
そんなシンプルなメッセージ性を感じる、美しい青春物語でありました。
ハナヤマタ、ぼくはすごい好きですねーーー。
ハナヤマタを見終わった後、心にさっぱりとした清涼感がただよっていてとても幸せな気分なので、感想をつらつらと書いてみます。
ー もくじ ー
【ハナヤマタ感想】1話でグッと引き込まれ、いきなり泣かされた
最初の7分で、ナルに自己投影せざるを得ない
自分以外の周りの人間がみんなキラキラして見える。
自分だけが、何もないカラッポで代わり映えしない時間を過ごしている。
誰か、私をどこか新しい世界へ連れてって...。
・・・
そんな、中学高校の思春期に誰もが1度は抱くような悩みってありますよね。
ハナヤマタは冒頭の7分で、自分のやりたいこと・やるべきことがしっかり見えている友達ヤヤとタミを見て落ち込むナルを見せつけられます。
そんなナルを通してぼくは
あぁ、そうなんだよな。キラキラ輝く周りの人間を見て、自分と比較して、どんどん落ち込んでいくその感覚、分かるよ...。
と胸をズキズキと痛めてしまうのでした...。
やっぱり、漫画やらアニメは「主人公に共感できるかどうか」が大事だと思うのです。
私もいつか、こんな風に輝ける日がくるのかな。
そう思うと、胸が踊った。
いつか誰かが。
この世界から連れ出してくれる。
そう思って私は、ずっと待ち続けた。
物語のヒロインみたいな不思議な出会いを。
出典:アニメ「ハナヤマタ」第1話
「変わりたい」のではなく「誰かが現れて、私を変えてほしい」っていう受け身なのもまた「分かるわぁぁぁぁ...」っていう共感を誘います。
もうぼくは、最初の7分ですっかりナルを他人とは思えなくなっていたのでした。
30過ぎたおじさんでも14歳の女子中学生に共感できるんだなぁ、という新しい学びがあった瞬間です。
待つだけの傍観者だったナルが人生の主人公になる瞬間のすがすがしさよ
つい先ほど書いたばかりですが、ハナヤマタ1話の冒頭は、
ナル=カラッポな人生
他人=キラキラした人生
という対比を痛々しいほど見せつけられます。
- 親友のヤヤはメジャーデビューを目指してバンドに夢中
- 父親から「おとぎ話の本なんかに熱中してないで、やりたいことはないのか」とあきれられてしまう
- 憧れのタミお姉ちゃんは、自分の将来を見据えて習い事に一生懸命
とくに、ヤヤに輝く顔で
「やっぱりしたいことした方が楽しいじゃん。ね!ナルもそう思うでしょ?」
と聞かれた後に「・・・・ごめん早く帰れって言われてたんだ」って言葉に詰まってしまったところ、見てて胸がめっちゃ痛かったです。
あと、
お父さん、あんた自分の可愛い娘にヒドくね?
って思った。
そして気分がどん底の学校の帰り道、ナルは神社で鳴子の鳴る音を聞きつけ、踊る"妖精さん"のハナを見つけます。
逃げるハナを走って追いかけ「私も連れてって!妖精さん!!」と叫びます。
ナルは引っ込み思案で決して自分から他人に積極的に関わっていく性格ではありません。
初対面であり、明らかに異国人であるハナを見て必死に追いすがるなんて、普通ではありえない行動なはず。
この勇気ある行動が、ナルのその後の人生・人生観を変えることになりました。
ハナヤマタの物語は、ナルがあの日あの帰り道でハナを追いかけることなく帰宅していたら始まらない物語だったはずです。
ナルは翌日転校してきたハナを見て「自分とは違って、妖精さんみたいなキレイな子だなぁ...」と思うだけの人生が続いていたのでしょう。
人生、待つだけじゃだめ。
行動することが大事。
そんなことを最初の10分でキレイに教えてくれるアニメ。
世のエライ人が書いているどんな自己啓発本も、結局は「行動しろ」が要点です。
つまり、ハナヤマタは少年少女向けのアニメと見せかけた自己啓発セミナー動画と言っても過言ではない...!
1話の中盤〜終盤を見ると、積極的なハナに引き上げられるかたちでナルが変わっていくかのように見えますが、あくまでも「ハナを見つけハナを追いかけたのはナルで、ナル自身の行動が物語の起点になっている」というのがとても良かった。
1話ラストのナルとハナ「本音のぶつけ合い」に感動
屋上に向かったナルがハナと本音を交わし合うシーンも最高に良かったです。1話からクライマックスかよ!って。
「みんながみんな、あなたみたいに好きなことがあるわけじゃない。私みたいにカラッポの人間だっているの!だから...」
「じゃあ、これからは楽しいがいっぱいですね!」
「...え?」
「だって、カラッポっていうのは、これからいくらでも詰め込めるってことです。楽しいも、好きも、苦しいも、新しいものだっていっぱい!」
「...でも」
「だい、だい、大丈夫!言ったでしょ?頑張れば、誰だって輝くことができるって!」
「私も、私も楽しかったの。あのとき、あなたと踊れて。ほんとうは、すっごく楽しかった!初めて、こんな私でも輝けるのかなって。ほんとは、私...」
・・・
ここでも、ナルは屋上に行かず「もうハナとは深く関わらずに静かに過ごす」という選択もありえたんですよね。
自分からハナに「もう私に関わらないで」と言い放ち、ハナからは「気が向いたらまた声をかけてください」と言われ距離を置かれた後でした。
最初は、ハナ×よさこいという未知の関わりは、変わらない日常を壊す恐怖の対象でもあった。
しかし、屋上で本音をやりとりし、ハナの暖かい言葉に触れたナルが、やはりここでも勇気を出して素直に「楽しいもの」と受け入れこれまでの日常とさようならをするシーン。
ナルとハナの間に絆が生まれたシーン。
涙がほろりとしました。
・・・
というわけで、いやマジで1話でこんなにハマるとは思わなかったよ。
2話のヤヤちゃんの"可愛い"でノックアウト
2話のヤヤちゃん、ツンデレ可愛すぎません?
ぼくはツンデレキャラが大好きなのです。
1話でナル・ハナの友情に感動させられどハマりしたあとは、2話で嗜好にブッ刺さるヤヤちゃん可愛いをぶっ込んでくる。
なんという恐ろしいアニメ。
- ハナを家に招くナルに嫉妬するヤヤちゃん
- ハナにもらった鳴子を大事にしてるナルを見て嫉妬するヤヤちゃん
- ハナにハグされるナルを見て嫉妬するヤヤちゃん
- ナルがハナと買い物中に送ったLINEに既読が付かなくてうわの空になるヤヤちゃん
- ナルがハナとあんみつ一緒に食べたとLINEが来て嫉妬するヤヤちゃん
- ハナとどんどん仲良くなるナルを見てついナルにキツく当たっちゃうヤヤちゃん
- キツく言い過ぎたことを反省して落ち込むヤヤちゃん
- 「絶対あいつなんかにナルを渡さないんだから!」と意気込んじゃうヤヤちゃん
- 友達はナルだけじゃないし、と強がっちゃうヤヤちゃん
たった数分で、これほどの嫉妬ムーブをかましてきますw
これを見て、
ヤヤちゃん、ハナにナルが取られちゃいそうで嫉妬しちゃって可愛いなぁ
なんて呑気に思ってたんですが、中学・高校と過ごすなかで、男女問わず誰しも1度はこういう嫉妬じみた感情を抱いたことがあるんじゃないかなーと思いました。
よくよく自分の過去を思い返してみると、小学生のとき、仲良しだったA君がぼくとは別に仲良くないB君と仲良くなりはじめると「なんだこいつ!」と敵意を心の中に持ったことがあります。
だから、ヤヤちゃんに「うんうん、その年頃だとそうなるよね」とめちゃくちゃ共感しながら見ていました。
ハナに嫉妬するヤヤちゃんが可愛く、変わろうとするナルと衝突してしまい素直になれないヤヤちゃんが可愛く、本当の友達としてナルを支えようと決心するヤヤちゃんが暖かく。
1話に続いて魅力的な展開の2話。
心がポカポカするいいアニメですね!!!
「部屋よーし!服よーし!髪よーし!履歴よーし!」で笑いました。
ガチ・よさこいじゃなくて良かった
ぼくはいっさいの事前情報を持たないままアニメを見始めるので、1話を見たときに
ん?これ「よさこい」って踊りが軸になる物語なのか
と思いました。
ですが、全編を通して考えてみると、よさこいの踊りを追求すること自体に焦点が当たってる感じはしません。
どちらかというと、
よさこいを起点に新しい人間関係が生まれる
↓
人間関係がもつれる
↓
修復して強固になる
というように、人情ドラマの側面が強かったように思います。
タミの自縄自縛からナルが解放してあげたり。
ヤヤの自暴自棄 → ナルとケンカ → 仲直りしたり。
マチ姉妹の間にあった確執の真相が感動的だったり。
ハナの家庭の複雑な事情で暗転しそうな展開からの最終話のカタルシスだったり。
アニメ感想まとめサイトなどを見ると「もっとよさこいで真面目に踊るところを見たかった」と書いてあるのを目にしましたが、ぼくは人間ドラマメインの方でよかったですね。
どのエピソードも、
- 人間関係のもつれで心がモヤつく
- もつれが美しく解決し、心がぱーっと晴れやかになる
という繰り返しなので、見ていて本当に心が暖かくなり気持ちよかった。
11話〜最終話の流れが最高
ハナヤマタ、クライマックスに向かう流れが最高でした。
ハナが今日アメリカに出発すると聞いたあと、悩むことなくノータイムで空港に向かってかけだしたのはヤヤ。
ここ、なんの迷いもなかったのがよかったですね。
先陣を切って突っ走ったのが他の誰でもなくヤヤだったというのもまた良き。
出会った最初はあんなに嫌っていたのにね。
ほかにも、
- ナルとナルの父親との和解
- ヤヤとヤヤのバンドメンバーとの和解
このあたりの細かなモヤつきも見事に解消しながら進めてくれたのがよかった。
本編にあまり関係ないけど、絶対に顔を出さないナルの母親(17)で超笑った。
ハナがクライマックスで合流!熱い王道展開!
日本へ帰ってきて会場にダッシュしてきたハナにナルが鳴子を放り投げ、フリーランニングで鍛えた持ち前の身体能力を生かしてダイビング合流。
しかもサビ部分。
お決まりの展開とはいえ、あまりに美しい流れであり、胸・目に込み上がるものが溢れだしてきました。
最終話にして最高のカタルシス。
これぞ王道、というラストでした。
ナルがトラウマを克服。感動した!
明らかにナル史上最大の観客の前で踊っているにも関わらず、この笑顔。
ナルが無事に合流できて、大切な仲間と一緒に踊れることの幸せを噛み締めるナルを見て、観客のぼくもほっこり。
最終話の踊り本番前にはいっさい「本番、大丈夫かな」とナルが不安になる描写はありませんでした。
ナルは、小学生時代のトラウマなど思い返すヒマもないほど充実していたのでしょう。
成長したね。
めちゃくちゃキレイに締まった最終回で大満足です。
エンディング曲「花雪」が神曲:歌詞の美しさに鳥肌
花雪、聴けば聴くほど好きになるスルメ曲。
1話2話3話あたりはオープニングの「花ハ踊レヤいろはにほ」のほうが良いなぁなんて思っていたけど、何回も聴くうちにどんどん好きになり、FULLで聴いてみたら歌詞の美しさに感動すら覚えました。
聴くと少し寂しくなって涙を誘うような、でも同時に元気ももらえるような。
不思議な和風の曲です。
もうずっとこればっかり聴いています。
歌詞だけで、ナルの見た風景・感じた心境がハッキリ思い浮かぶ
この曲の好きなところは、アニメのシーンが持つ雰囲気を歌詞でとても美しく表現している点ですね。
聞いて聞いてよお月様 涙こらえ見上げる
にじむ日々の果ての果て キミは現れた
この歌詞は、
1話でナルが学校の帰り道で変わりたくても変われない今の自分に苦しんでいる姿。
そして"妖精さん"を神社で見つけた瞬間のシーン。
それらが思い浮かびます。
ナルが本当に切羽詰まっていて、ワラにもすがるような心境だったことが伝わります。
「聞いてよお月様」という表現は、1話冒頭で明らかになっていた"物語の中の王子様・お姫様"といったメルヘンチックな世界観に憧れるナルの趣向が感じ取れるのも素晴らしい。
トリハダものだったのは次のサビ部分の歌詞。
ナルが初めてハナと出会ったときの幻想的な風景・心境が手に取るように感じ取れるかのような歌詞↓。
ひらり花雪の唄を背負う 御伽ノ国ノ姫
無邪気に舞う袖が降らす花 数多の奇跡
月下でひらひらと舞う異国の少女・ハナがまるでおとぎの国のお姫様のよう。
辺りに桜が舞っているのではなく、ハナが舞うときに揺れる袖から桜が生まれ降っていくような錯覚を覚えるほどの美しく奇跡的な光景。
ナルには、ハナと出会った神社での光景がそんな風に見えていたのだろうなと。
歌を聴くだけでありありと想像がかきたてられるのです。
「ひらり花雪の唄を背負う」とか「舞う袖が降らす花」とか、どういう人生を歩んだらこんな素敵な単語の組み合わせを思いつくのか...??
「背負う」という単語によって、アメリカから知人も誰もいない日本へ渡ってきたハナの覚悟・よさこいへの思いの強さも感じとることができます。
差し出されたその手のひらに アノ日ノ夢ノ調ベ
願い重ねる 永久に続け 続け
「いつか誰かがこの世界から連れ出してくれる」と夢見ていたナル。
"妖精さん"のハナに「連れてってあげる」と手を差し出され、願っていたことが現実になりそうで、でもどこか現実かと信じきれなくて不安。
そんなナルの心境がありありと感じられる歌詞です。
「花や、またね」とか天才かよ
作品名である「ハナヤマタ」は、メインキャラ5人の頭文字を取ったもの。
ハナ
ナル
ヤヤ
マチ
タミ
そして、エンディングテーマの花雪では、こんな↓歌詞が登場します。
離ればなれでも
ひら ひら ひら 交わした合言葉は
「花や、またね」
いつも聴こえてくる ここで
ハナヤ、マタね。
まさか、最終話でのハナとの別れにかけてくるとは...。
初めて花雪をFULLで聴いたとき、鳥肌が立ちました。
いや〜〜、美しいアニソンですわ。
好きなキャラ、苦手なキャラ
好き:ヤヤ・サリーちゃん先生
ヤヤはナルの"ツンデレ彼女"ポジションで、前章で書いた通り単純に可愛いってのもあるけど、「人間臭い性格」も持ち合わせているのが好感です。
嫉妬深くてそれが態度に出てしまうところ。
バンドが解散して居場所がなくなって、ナルとハナを中心に輝き始めたよさこい部に劣等感を感じ、やはりその感情を隠しきれず態度に出してしまう(そしてケンカになってしまう)ところ。
なかなか素直になれないところ。
やはり「わかる〜」って共感できる人間臭さが好き。
あとは、意外にもサリーちゃん先生が好きでした。
学生時代は才色兼備で超優秀。今はちょっと自堕落気味(=めっちゃ人間臭い)。でも決めるところはカッコよく決める。
人間の魅力はギャップ。キャラの振れ幅。
この人に焦点があたる場面では、なんだかんだ口ではブーブー言いながらも生徒・妹への深い愛情が伝わってきて幸せな気持ちになります。
苦手:ハナ
ヤヤ・サリーちゃん先生と違って、あまりに聖属性が強すぎるというか。
性格が見た目通りの"天使・聖人"すぎて、人間臭さが足りない。
ビジュアルはもちろん文句なしに可愛いんですけどね。
真っっっっ直ぐな性格なので、見ててまぶしすぎる...。
10話で生徒会長のマチがよさこい部員になったときに腹黒な一面が見れたときは、すこし好感度が上がりました。
ハナヤマタ感想まとめ:
「誰か、自分を違う世界へ連れてってほしい」
そんなふうに他力本願・受け身一辺倒だったナルが、ハナを追いかけて、ハナとつながって、少しずつ成長する物語。
物語が進むに連れ、励まされることが多かった立場から仲間を鼓舞し仲間に頼りにされる存在にまでなりました。
何度でも見たくなる。
見たあとは、人生ちょっと前向きになれる。
そんな素晴らしいアニメです。
30過ぎたおっさんも、このアニメに元気をもらいました。
はー、マジで見た後の気分は最高。
幸せな気持ちでいっぱいです。
原作全巻そろえてしまった
アニメは原作10巻完結のうち4巻か5巻で終わっているとのことなので、文化祭編以降が気になり過ぎて10巻まで買ってしまいました。
アニメと原作の展開のちょっとした違いも楽しめるので、アニメしか見てない人は漫画もおすすめ!