仮想通貨テクニカル分析 フィボナッチリトレースメントの使い方
暗号資産(仮想通貨)トレードをするかたにむけて、フィボナッチ・リトレースメントについて。
「フィボナッチ・リトレースメントとは?」という基本から、引き方・エントリー判断の仕方など、順番に解説していきます。
本記事の前提:
- チャートツールは「TradingView」を利用
- 数学的・専門的な解説はしません。実用面にフォーカスし、簡潔さを重視
ー もくじ ー
【ビットコイントレード】フィボナッチ・リトレースメントとは
かんたんに書くと、
- 価格が上昇していて調整下げが起きるとき、どこで下げ止まるか
→ どこでロング(ショート利確)できそうか - 価格が下落していて調整上げが起きるとき、どこで上げ止まるか
→ どこでショート(ロング利確)できそうか
これを予測するツールです。
つまり、フィボナッチ・リトレースメントをチャート上に描画した時、そのラインはサポートライン・レジスタンスラインとして意識されるということ。
フィボナッチ・リトレースメントの引き方
どの時間足でも効く
1分足(それ以下の秒足)から月足まで有効です。
サポートレベルを知りたいとき:下から上へ
▼安値を起点・高値を終点で引きます。
結果、描画された各ラインがサポートレベルとして機能する可能性があります。
レジスタンスレベルを知りたいとき:上から下へ
▼高値を起点・安値を終点で引きます。
結果、描画された各ラインがレジスタンスレベルとして機能する可能性があります。
どこの安値・高値を起点にすればいい?
厳密な決まりはなし。
- 「チャートをパッと見て目立っている安値・高値」を起点・終点にすればOK
- 起点は最高値・最安値じゃなくてもいい
つまり、同じ状態のチャートから複数のフィボナッチ・リトレースメントを引けるということになります。
以下画像例でサポートレベルを探る場合、フィボナッチ・リトレースメントツールの終点は確定していますが始点は2ヶ所考えられます。
一方的な上昇・下降が続いて細かいリトレースが何度もある場合、以下のようにフィボナッチ・リトレースメントの起点が何ヶ所もある場合も普通にあります。
ぼくは、
- 起点2(最安値)から引いたフィボナッチ・リトレースメントを「グローバル」
- 起点1(最安値ではない目立つ安値)から引いたフィボナッチ・リトレースメントを「ローカル」
...と勝手に呼んでいます。
それなりに目立つポイントを始点とするかぎり、どこで引いてもフィボナッチ・リトレースメントのレベルで反応する可能性はあります。
ただし、ローカルになればなるほど(始点・終点の価格幅が小さいほど)、スキャルピングトレードに近くなっていくイメージですね。
▼たとえば、始点・終点の値幅が400ドルしかないフィボナッチ・リトレースメントを根拠にエントリーをしたとすると、そのトレードがスイングトレードになる可能性は限りなく低いです(急激な上昇・下降トレンドでもないかぎり)。
フィボナッチ・リトレースメントでエントリー判断する方法
他ツールのサポレジと重なるレベルを探す
▼上昇から調整下げが始まった場面で「どこでロングをするか?」を考えていたとする。
このとき、フィボナッチ・リトレースメントを使ったロングポイントの探りかたは以下です。
- フィボナッチ・リトレースメントを引く
- フィボナッチ・リトレースメントのレベルと重なる別の指標はないか探す
- 重なっていればエントリーポイントになり得ると判断
▼この場合、dailyサポートラインが0.618のレベルとほぼピッタリ重なっています。
他に重なるモノは、普段あなたが使っているツールでなんでも良いです。
フィボナッチ・リトレースメントのレベルが他と重なるという事実が大事。
フィボナッチ・リトレースメントのレベルが他のツールと重なっているということは、より強いサポートであるということを意味します。
実際、この0.618とdailyサポートが重なるラインにタッチして1時間ほどで500ドルの反転上昇をしているため、デイトレードでロングをする点として適したポイントでした。
▼ショートを狙う例だと、フィボナッチ・リトレースメントのレベルにフィボナッチ・ファンのレジスタンスラインがピッタリ重なったポイントで反転しています。
- フィボナッチ・リトレースメント単体でエントリー根拠とするのは危険
- 他に重なるサポート・レジスタンスがあるかどうかで考える
- 他の指標・ツールは何でもよい
普段使っているモノに組み入れて使えそうかを判断してみるべし
一番効くとされるのは「0.618 - 0.66」のゾーン
フィボナッチ数において0.618は「黄金比率」と言われており、人間がもっとも"美しい"と感じる比率なんだとか。
ビットコインでも、0.618のレベルに入り込んだ後に一番大きく反応することが多いです。
しかし、ビットコインはボラティリティが激しいこともあいまって、
0.618にピッタリ反応することはほぼない
というのが事実です。
そこで、「0.618 - 0.66の間をゾーンと見なして考える」という手法が(海外トレーダーの間で)生まれたもよう。
つまり「0.618から0.66の間のどこかで勢いが止まって反転する可能性が高いでしょ!」と考えるということ。
もちろん、他にサポート・レジスタンスが重なっていればなお良しなのは変わりません。
メモ:
なぜ「0.66」なのかは謎。誰が編み出したのかも謎。
重要なのは、0.618を1本の線でとらえるのではなく、0.617 - 0.66のゾーンで捉えること。
日本ではマイナーな概念ですが、海外のビットコイントレーダーでフィボナッチ・リトレースメントを使っている人が100人いれば98人は0.66を引いています。
【参考】ぼくは「0.71」を使っています
- ビットコインは0.618 - 0.66がとても良く効くことが世界中に知れ渡り過ぎた
- ビットコインはもともとボラティリティが激しい
という理由(①はぼくの想像)から、
- みんなが待ち構えている0.66を飛び抜けて、全員損切りさせる
→ その後予定通り反転する
ということが頻発しているような感覚があります。
つまり、フィボナッチ・リトレースメント0.618 - 0.66を待ち構えていると、
0.66を突き抜けた後に反転...騙された...!
と思うことが結構あります。
海外では「0.618 - 0.66」のゾーンを「ゴールデンポケット」と呼んで使っている人がマジで大量に存在するので、それを裏切るような動きが現れ始めたのでは...?と想像しているのですが...真相は分かりません。
ただ、0.66飛び抜けること多いなぁ...と思うのも事実。
そこで、ぼくは「0.66」を「0.71」に拡張して表示することにしました。
何度かアジャストして、
0.68、0.69、0.7じゃまだ突き抜けることがある...
0.72だと届かないことがある...?
という感覚になり、0.71を使っています。
▼以下例では、0.618 - 0.66でショートした人を全員焼くように上昇し、0.71タッチ後に急激に反転下落を開始。
これはあくまでも一例で、「0.66を抜け、0.7オーバー付近で反転」パターンはそこらじゅうで見つかります。
なにせ0.71には数学的な根拠がゼロなので、0.71を引いているのは世界中でぼく一人だと思いますが、よければ参考までに。
#Bitcoin
fib 0.618 → 0.66と超えてくると「ブレイクした!ロングだ!」と考える人が増えて、0.71がMAXでそいつら全員トラップされて食われるっていう想像をいつもしている pic.twitter.com/TLDLcdcPBO— Yuki📈|Crypto Trader (@YUK1_WORLD) November 8, 2022